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アクティス 転送禁止指定が可能なメールソフトを発売

2003/03/24 19:14

週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載

重要データ扱う企業で利用見込む

 アクティス(東野義明社長)は、独自開発したメールソフト「X-Mail」を4月にも発売する。メールの著作権と知的財産権に焦点を当てたのが特徴で、送信したメールおよび添付したファイルの転送禁止の指定や、一定時間を経過するとメールが閲覧できなくなるなどの機能を搭載する。重要なデータを取り扱う企業内や企業間での利用のほか、インターネットプロバイダの特定フォーラムでの活用などが想定される。2004年度には10万ライセンスの出荷を見込んでいる。

 同社は、NEC系の交換機に関するソフト開発などを進めてきたシステム開発ベンダー。通信分野に関するノウハウを数多く蓄積しているのが特徴だ。これまでパッケージ製品を開発したことはないが、今回の「X-Mail」は、若手の意見を採用する「社内新事業公募制度」で発生したプロジェクト。

 02年度からプロジェクトを開始し、製品開発と市場調査などを実施してきた。開発は中国企業と提携し、低コスト化を実現。今年4月には製品版が完成する。

 「X-Mail」の特徴は、メールの著作権や知的財産権保護などにポイントを置いた点。「X-Mail」同士であれば、送信したメールやそこに添付されたファイルの転送禁止や、一定時間内での閲覧を限定するなどの制限を加えることができる。

 具体的な使い方としては、社内文書などをむやみに社外に転送できなくしたり、添付した画像データを再利用されなくするといった制限ができる。また、プロバイダでは、会員同士の出会いサイトで、自分の写真を転送されないように制限をかけるなどの利用が可能だ。

 杉本英・企画室課長は、「企業ではメールの著作権に関する意識が急速に高まっている。デモ版を配布した段階から、すでに金融機関やプロバイダからの引き合いがある」という。

 同社は、日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会が実施しているアライアンスビジネス研究会にも参加。同ソフトのプレゼンテーションには注目が集まっていた。

 価格は、1ライセンス当たり3900円。ボリュームライセンス契約では1000ライセンスを超えると1600円、2000ライセンスを超えると1500円。販売パートナーとの協業を模索しているほか、7月には英語版と中国語版も投入する予定。海外展開も視野に入れており、04年度の販売目標を10万ライセンスと掲げている。
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