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グレープシティ 学校向けシステムの新版を発売へ

2003/03/24 19:14

週刊BCN 2003年03月24日vol.983掲載

.NETフレームワークに対応

 グレープシティ(ダニエル・ファンガー社長)は、主力の私立学校向け基幹業務システム「レーザー私学システム」の次期バージョン(新版)を今年7月をめどに製品化する。現在はバージョン7だが、次は8になる予定で、マイクロソフトの.NETフレームワークに対応する。今年の秋以降には、現在のウィンドウズの操作画面(UI)に加えて、ウェブブラウザで表示できる操作画面も開発する。顧客は、パソコンに専用ソフトを入れて使うだけでなく、ウェブブラウザを使ったASP(サービスの期間貸し)サービスを受けられるようになる。

 グレープシティは、仙台に本社を構えるソフト開発会社で、私立学校向け基幹業務ソフトの開発・販売で成長した。同社のシステムの採用校は、幼稚園から専門学校、大学まで全国約2000校に達する。

 だが、ここ数年、マイクロソフトのソフト開発ツール「ビジュアルスタジオ」向けの機能拡張ソフト(アドオンソフト)「パワーツールシリーズ」が急成長し、今年度(2003年3月期)売上見込み約21億円のうち、7割がパワーツールで占めるまでになった。

 一方、レーザー私学システムの売上構成比は相対的に2割弱まで落ち込み、「経営的に偏った収益構造になった」(ファンガー社長)と話す。

 これを是正するため、今年7月をめどにレーザー私学システムの刷新を図り、収益バランスの均等化を図る。新版の最大の目玉は、.NETフレームワークおよびXMLに対応することで、ウェブサービスが学校システムに導入できるようなった点だ。学校現場では副教材や学習用具など、さまざまな物品を購入する。まずはこれらの商取引を学校の会計システムにウェブサービスとして取り込む。

 例えば、ある幼稚園が外部の写真業者に委託して撮影した園児の写真がある。これまで、写真は学校の掲示板に貼り付けて、保護者や児童が購入したい写真番号を学校に伝える。学校は写真業者に発注し、仕上がった写真は、現金と引き替えに保護者や園児に手渡していた。現金取引が発生し、保護者にも学校にも負担がかかる。

 これをウェブサービスを使い、学校のウェブから写真を発注し、写真業者からの請求は、学校の授業料と合わせて請求できるようにする。煩わしい現金による引き替えを排除する仕組みだ。今後は、写真だけでなく、学校関連におけるすべての商取引をウェブサービス化し、全国の私立学校に売り込む。

 来年度(04年3月期)はグレープシティ全体の売上高で、前年度比14%増の24億円を見込む。
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