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中小企業向けに401kサービス開始 手続きの簡素化で加入者増へ

2003/04/14 19:17

週刊BCN 2003年04月14日vol.986掲載

 ヒューマン・プライム(小澤薫代表取締役、池田直子代表取締役)は、中小企業でも低コストで簡単に導入できる確定拠出年金(日本版401k)サービス「総合型401k倶楽部企業型年金」を4月から開始した。同社はソフト開発会社のシンクプラン(小澤孝俊社長)の事業部として、2001年4月から活動してきたが、独立事業として採算が見込めることから02年8月に別会社化した。主な業務は人事コンサルティングだが、確定拠出年金は注目度が高いことから、独自商品を開発、3月11日に厚生労働省から承認を受けた。「401kは注目されているものの、加入企業数は少ない。それは手続きが煩雑で時間と手間がかかるため。総合型は複数企業が加入する方式なので、手続きなどが簡単に済む。今後、総合型が増加することが見込まれるが、当社はいち早く承認を受け、加入者を増やしていきたい」(池田代表取締役)としている。

 同社は401kについて、「転職者が多いIT業界に向いている制度。経営者にとっても税法上のメリットがある」と分析している。

 しかし、企業単独で401kに加入する場合、「導入には厚生省の認可が必要で、そのために半年から1年という期間がかかる。また、導入コンサルティングを行う企業は金融機関が多いために、独自の金融商品とセットにしてセールスすることが多く、大企業をターゲットとしたものがほとんどだった」(池田代表取締役)と、中小企業では加入しにくい側面があった。

 今年3月時点で401kに加入している企業は298社と少ない。これは手続きの難しさなどが要因という。

 そこで同社では、複数企業の導入を前提に、厚労省の認可を同社自身が受けた「総合型401k倶楽部」を開発、中小企業向けにサービスを開始した。同社自身、298社の401k加入企業のうち3社にアドバイスを行った実績をもつ。今回の新サービスは、この実績をベースに開発した。

 特徴は、通常は半年から1年かかる加入までの期間を2か月から半年と大幅に短縮。また、コストについても、複数企業の加入を前提としていることから、単独で加入する場合に比べ安価となる。

 「当社の本業は人事コンサルティング。今回の商品を通じて本業が拡大していくことが狙い。そのため、この新サービスだけで大きな売り上げをあげていくことは考えていない。このサービスをきっかけに、同社の認知度があがっていけばよい」(小澤代表取締役)としている。

 今後、総合型401kサービスが増加していく見通しがあり、「いち早く商品化することで、この分野で先行していく」(小澤代表取締役)としている。
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