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NTTソフトウェア 暗号通信パッケージでセキュリティ分野を強化

2003/04/14 19:17

週刊BCN 2003年04月14日vol.986掲載

企業顧客の開拓を狙う

 NTTソフトウェア(鶴保征城社長)は、暗号通信パッケージ「CipherCraft/VPN(サイファークラフト/ブイピーエヌ)」を発売、セキュリティ分野の販売を強化した。同製品は、業界で初めて純国産の暗号アルゴリズム「Camellia(カメリア)」に対応したのが特徴。同社は、NTTグループ各社や官公庁を中心にセキュリティシステムを導入した実績がある。今後は、同製品を武器に自社製品の拡販で企業顧客を開拓する。2003年度(04年3月期)は、同分野で1億円の売上高を見込む。

 同社では、セキュリティ分野での企業需要拡大を狙う。これまでは、NTTグループ各社と官公庁を中心にセキュリティシステムを導入した。

 山口雅史・モバイルソリューション事業部セキュアシステムズ営業主任代理は、「今後は、当社製品で企業顧客を増やしていく」として、「サイファークラフト/ヴィピーエヌ」の製品化を進めたという。

 当面は、直販で需要を開拓。「SI(システムインテグレータ)販社のパートナー数を増やし、パッケージでの提供やOEM(相手先ブランドによる生産)での供給」(山口営業主任代理)で拡販していく方針だ。

 「サイファークラフト/ヴィピーエヌ」は、通信元アプリケーションと通信先アプリケーションとの間に独自の暗号経路を構築。ネットワーク上で送受信されるデータの暗号化をセキュアに行うことで重要情報を盗聴や改ざん、漏洩などから保護する。

 NTTと三菱電機が共同開発した128ビットブロック長の共通鍵ブロック暗号アルゴリズム「カメリア」技術を採用しており、一般的に使用する暗号アルゴリズムと比較して高度な安全性や高速処理を可能にした。

 インターネット上でのセキュア通信が可能なため、専用線を使った通信と比較しても導入コストやランニングコストを大幅に削減できる。通信元と通信先のアプリケーションの間には独自の暗号経路を構築するため、既存のハードウェアやソフトウェアを新規購入することなく、短期間で既存システムにセキュアな暗号通信システムを導入できる。

 価格は、無制限のライセンスを提供する「エンタープライズライセンス版」が500万円、100ライセンスの「ミドルユーザ版」が100万円、50ライセンスの「お試しパック」が50万円。

 同社では、03年度にSI販社を含めて1億円の売上高を見込む。

 今後は、「サイファークラフト」シリーズとして、暗号セキュリティシステムを順次製品化していくことを計画している。
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