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イーフロンティア 次世代シェードに5億円投入

2003/05/26 19:20

週刊BCN 2003年05月26日vol.991掲載

大幅に機能強化し今秋にも発売へ

 イーフロンティア(安藤健一社長)は、次世代シェードの開発におよそ5億円を投じる。このなかにはエクス・ツールスからの営業譲渡費用(約1億円)が含まれているが、大半は、次世代版の開発に充てる。シェードは、国産の本格的なCG(コンピュータ・グラフィックス)制作ソフトで、今年4月にイーフロンティアがエクス・ツールスから譲り受けた。

 次世代シェードは、10-12月頃をめどに販売を始める予定。これに向けてイーフロンティアでは、社内体制を大幅に強化する。4月時点で、約30人だった社員を、最大50人まで増やした上で、このうち約半分をグラフィックス事業に振り分ける。増加分のうち約10人は、エクス・ツールスからの転籍社員が占める。現行版のシェード6は日本語版のみだが、次世代版のシェード7(仮称)では、日本語版に加え、英語、フランス語、ドイツ語、中国語版を追加する。

 日本語版の発売後、2か月前後をめどに各国語版の販売を始める。当面の売上比率は、国内が8割、海外が2割を見込むが、将来的には海外市場でのシェア拡大に取り込む予定だ。次世代版の強化点は、従来予定していた機能増強に加えて、プラグインソフト(機能追加ソフト)とのインターフェイスを大きく改善する。これにより、ソフト開発メーカーが、より簡単にシェード用のプラグインソフトを開発できる環境を整備する。

 国内外のソフト会社との接点を強化することで、プラグインソフトの種類を増やし、次世代シェードをより深みのあるものに仕立てる考えだ。安藤社長は、「シェード開発において中心的人物である時枝敏也チーフプログラマーをはじめとする開発陣との意見交換を進めており、ユーザーや外部協力者も巻き込んで、次世代版の開発に全力を挙げる」と意気込む。既存のタイピングや、ユーティリティ、ゲームソフトの事業は、そのまま継続し、人員の増加分をシェード事業に割り当てる。

 子会社で出版社のビー・エヌ・エヌ新社もグラフィックス関連の書籍が中心であるため、グループ全体の経営資源のうち、半分強をシェードを中心とするグラフィックス事業に投入する。次世代シェードの完成までに投じる約5億円の資金は、「次世代版の販売を始めたあと、速やかに回収できる手応えは十分」(安藤社長)と自信を示す。シェードは、国内を中心に約20万人以上のユーザーがおり、グラフィックス制作ソフトの分野では根強い人気がある。
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外部リンク

イーフロンティア=http://www.e-frontier.co.jp/