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シマンテック 企業向けビジネスの売上比率を拡大

2003/06/02 19:23

週刊BCN 2003年06月02日vol.992掲載

パートナー支援策を強化

 シマンテック(成田明彦社長)は、企業向けセキュリティ事業の売上比率の拡大を狙う。ウイルス対策関連製品にとどまらないトータルセキュリティ関連事業の推進や、パートナー支援プログラムの強化などに力を入れる。一方で、活発な動きを見せるコンシューマ市場では、今年度もトップシェアを“至上命題”とする。また、競合他社の低価格化戦略については、「現段階では追随しない」としながらも、今後の動向次第では対抗策に打って出る可能性も示唆する。

 シマンテックの日本市場での売上比率は、コンシューマ向け事業が全体の半分以上を占め、企業向けは50%を下回っている。同社はここ数年、この比率の逆転を目標に掲げてきたが、「コンシューマ向け事業が予想以上に好調なこともあり、企業向けが占める割合はまだ50%未満」(成田社長)という。企業向け事業では、「トータルセキュリティソリューション」を打ち出し製品ラインアップを強化してきたが、今年度はパートナー企業への支援策を積極的に展開していく方針だ。

 パートナー企業に対する無償教育プログラムの提供や、パートナー認定資格制度の強化を図る。一方、コンシューマ向け事業に関しては、「トップシェア維持が至上命題。ナンバー2に甘んじたら企業向け事業にも影響する」(成田社長)と、首位の座を死守する構え。このところ急増している新規参入企業に関して、齋藤秀明・執行役員コンシューマ営業事業部長は、「当社にとっては、セキュリティに対する意識や認知度が向上し、大きなプラス材料になる」と、余裕を見せる。

 また、ソースネクストが打ち出した低価格戦略について成田社長は、「確かに発売後好調な売れ行きをみせているようだが、これ以上の伸びを続けていけるかは疑問。現段階での追随はない」と話す。しかし、「低価格ソフトが今以上の伸びを今後半年続けるようなことがあれば、当社も考えなければならないだろう。値下げする時は、中途半端な価格ではやらない」と語る。

 今年4月、組織を一部見直し、コンシューマ、エンタープライズともにマーケティング部が米国本社直結となった。成田社長は「ワールドワイドで統一したマーケティング体制を構築することが狙い。しかし、日本独自の施策を行っていくことは、これまで同様変わらない」と強調する。世界全体の売上高に占める日本市場の比率は約8%で推移している。企業向け事業の比率を50%以上に高めるとともに、約8%の数字を2ケタ台に乗せることも今年度の目標だ。
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外部リンク

シマンテック=http://www.symantec.co.jp/