日本ネットワークアソシエイツ(NAC)は、トータルセキュリティサービス提供への基盤作りを急ピッチで進めている。米本社が不正侵入防止技術を提供するセキュリティ企業2社を買収したことを受け、日本市場でもIDS(不正侵入検知システム)関連製品を来春にも投入開始する。また、今年7-8月には、コンテンツ・スパム対策用フィルタリング製品の発売も予定するなど、ウイルス対策製品「マカフィー」以外の品揃え拡充に力を入れる。

 NAC米本社はこのほど、米イントルバートネットワークス(カリフォルニア州)と、米エンターセプトセキュリティテクノロジーズ(同)を相次ぎ買収した。両社はともに、侵入防止技術を提供しているセキュリティベンダー。イントルバートネットワークスは、ネットワークのトラフィック監視により悪意のある行為を行うデータを識別し、攻撃を検知する技術を提供している。

 一方、エンターセプトセキュリティテクノロジーズは、ホストベースで、特定のサーバーを狙った攻撃を未然に防ぐ技術をもつ。「攻撃が行われてから侵入を検知して報告するのではなく、行動規則などをもとに未知の攻撃を防ぐことができる、IDS関連の中でも先進的な技術」(加藤義宏・McAfee事業部技術統括部統括部長)という。今回の買収を受け、日本市場でも両社の技術を生かしたIDS関連のサービスを来春にも開始する予定だ。サービス開始まで約1年を要することについて、加藤統括部長は「技術的に両社のテクノロジーを統合することは難しく、時間がかかる。具体的にどのような体系で提供するかなどの詳細は未定」としながらも、「両社の技術と当社の『マカフィー』を組み合わせれば、競合他社にはないサービスとなる」と、自信を示す。

 米本社では昨年、インターネットセキュリティシステムズ(ISS)との提携によりIDSサービスを提供する予定だったが、うまく立ち上がらず、断念に至った経緯がある。これに対し今回は、「買収した両社のテクノロジーを組み合わせた方が優位性があると判断し、買収にすることになった」と説明している。IDS関連製品以外にも、コンテンツ・スパムフィルタリングソフトを提供する米ディアソフト(カリフォルニア州)も買収しており、日本でもフィルタリング製品を今年7-8月に販売開始する予定。また、今月下旬には「マカフィー」の統合管理ツールの新バージョンを発売するなど、製品強化を積極的に進める。

 同社では、セキュリティソリューションを、①コンテンツ・スパムフィルタリング、②ネットワークの不正侵入防御、③ウイルス阻止、④動作分析、⑤サーバーの暗号化――の5カテゴリに分けて考えているという。現在の事業で中核をなしているウイルス対策製品以外のサービスメニューを積極拡充していき、今後はこの5カテゴリを網羅する事業体制を整えていく意向だ。