ベリタスソフトウェア（木村裕之社長）は、AIX対応のストレージ管理ソフト「VERITAS Database Edition 1.0 for DB2」など7製品を発売した。これにより、主要オープンプラットフォーム全てに対応した。

　同社はストレージ管理ソフト、データ保護用ソフトなどを提供するソフトベンダー。2003年度の日本市場での戦略として、「主要オープンプラットフォーム全てに対応する」（木村社長）ことを掲げていた。すでに、ウィンドウズ、ソラリス、HP－UX、Linuxには対応済み。今回、AIX対応製品を発売したことで、「当初目標であった主要オープンプラットフォームへの対応が完了」した。

　この戦略の背景として木村社長は、「日本企業の情報システムの現状は、1つのプラットフォームに全システムが統一されているというケースは少ない。プロジェクトごとに複数のプラットフォームが混在し、これをどう管理するのかという課題に、当社のストレージ管理ソフトを使い、統合的にシステムをコントロールするというソリューションをアピールしている。そのためには日本市場で使われている主要なオープンプラットフォームの全てに対応する必要があった」と説明する。

　また、AIXに対応するだけでなく、「VERITAS Database Edition 1.0 for DB2」は、DB2 UDBに対応。RAID冗長性技術、オンライン管理機能などによりアベイラビリティ（可用性）を向上させ、データベースアクセラレータ技術により処理性能の向上と効率的な管理を同時に実現し、データベース管理者の負荷軽減を可能にした。

　同社では、今回のAIX対応製品の発売により、「当初の目標に掲げていた市場拡大戦略の第1フェーズは終了した。今後は、まだ完全日本語化が済んでいないLinux、HP－UX、AIXの日本語化など、質の向上を今年中に実現していきたい」（木村社長）としている。

　また、米国本社では、1年に1回開催しているユーザーカンファレンス「VERITAS VISION 2003」で、マルチプラットフォーム対応ソフトウェアを利用した「ユーティリティ コンピューティング」計画を発表しているが、日本での展開については「今後、正式にアナウンスを行う」（同）という。

　木村社長は、「ユーティリティ コンピューティングモデルは、多くの企業が提唱しているが、ハードメーカーは自社製品の枠を越えるのが難しい。当社はストレージ管理、データ管理ソフトを提供していることから、ハード、アプリケーション、プラットフォームの枠を越えて、ユーティリティ コンピューティングを提唱することが可能。将来の当社の大きなビジネスの柱となるのがユーティリティ コンピューティングではないか」と話している。