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アンチョルス研究所 ウイルス対策ソフトで日本市場を狙う 韓国では法人需要を攻める

2003/06/23 19:23

週刊BCN 2003年06月23日vol.995掲載

 韓国のウイルス対策ソフト大手のアンチョルス研究所(安哲秀=アン・チョルス社長)が日本市場でのビジネス拡大に積極的だ。昨年2月に日本法人を設立し、個人向けウイルス対策ソフトのシェア拡大に力を入れている。韓国の同ソフト市場は年々伸びているものの、低価格競争が激化している。同社は、世界市場を視野に入れることで売上高を伸ばしていく構え。今年度(2003年12月期)の売上高を350億ウォン(約35億円)、そのうち日本を中心とした海外の売上高を100億ウォン(約10億円)と見込む。

 アンチョルス研究所は、95年に安社長が設立。韓国のウイルス対策ソフト市場で60%以上のシェアを誇っている。韓国では大手セキュリティ企業として絶対的な地位を築いている。安社長は、「韓国内だけでビジネス伸ばしていくのではなく、世界を視野に入れることが重要になる」としており、「日本で成功したビジネスモデルは世界でも通用する」と強調。日本市場でのビジネス拡大に意欲を燃やす。「まずは個人向けのウイルス対策ソフト市場でシェア拡大を目指す」としており、主力製品「ウイルス警備隊V3」や「V3ウイルスブロック」で知名度の向上を図る。

 昨年2月には日本法人「アンラボ」を設立した。「サービス部隊を強化し、企業向けビジネスも拡大していく」と意気込んでおり、今年5月末に統合アンチウイルスソリューション「V3ウイルスブロック」シリーズの企業向け製品を発売した。韓国のセキュリティ市場については、「今年は前年比25%以上伸びるといわれているが、個人向けは低価格化が一層進み、ますます競争が激しくなるだろう」として、今後は利益確保が厳しくなると見ている。そこで、韓国では企業向けのビジネスにシフトしており、売上高の75%を占める。

 「企業のほとんどがクライアントパソコンにウイルス機能を搭載しているため、そのパソコンについては飽和状態にある。しかし、サーバーにウイルス対策機能を搭載しているのは20%程度といわれており、残りの80%は需要がある。サーバーベンダーとの共同プロモーションでビジネスを強化する」としている。02年度(02年12月期)の売上高は、248億ウォン(約24億8000万円)だった。今年度は350億ウォン(約35億円)の売上高、そのうち海外での売上高を100億ウォン(約10億円)と予想している。
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