ニュース

ノキア・ジャパン メールに特化したセキュリティ製品発売

2003/07/07 19:28

週刊BCN 2003年07月07日vol.997掲載

トレンドマイクロと共同開発

 ノキア・ジャパン(ヘイッキ・テンフネン社長)のセキュリティ事業部であるノキア・インターネット・コミュニケーションズ(NIC)は、Eメールに特化した大企業向けゲートウェイセキュリティアプライアンスを販売開始した。トレンドマイクロとの共同開発製品で、同社のセキュリティアプライアンスシリーズの中で、メールに機能を絞った製品は初となる。今後ラインアップを増やしていく意向で、高いシェアを誇るファイアウォールアプライアンスとともに、主軸製品としてメールゲートウェイアプライアンスを成長させていく方針だ。

 今回発売した製品「Message Protector(メッセージプロテクター)SC6600」は、1000人以上の大企業向けセキュリティアプライアンス。トレンドマイクロのウイルス対策技術とノキアのアプライアンス技術を組み合わせて共同開発した。ファイアウォールとメールサーバー間に設置し、メールに添付されたウイルスやスパムメールを防ぐ。

 柳下幹生・カントリージェネラルマネージャーは、「トレンドマイクロと当社の技術を組み合わせることによって、競合他社にはないパフォーマンスを実現した」と強調する。

 たとえば、30KBの電子メールを、1時間で12万通処理することが可能だという。また、管理ツールでは、シグネチャの自動テスト機能など、セキュリティ管理者の負担を軽減するさまざまな機能を搭載した。

 柳下マネージャーは、「企業で最も重要なアプリケーションであるメールに特化したアプライアンス製品は、今後着実に伸びていく分野」と予想。そのうえで、モバイル環境を意識したメールのセキュリティアプライアンスや中小規模向け製品、より大規模な企業をターゲットにした製品の開発も検討しているという。日本市場で高いシェアを誇り、同社の主軸製品であるVPN/ファイウォールアプライアンスと並ぶ事業の柱に成長させていく考え。

 ノキア・ジャパンは、1999年にセキュリティ事業部を手がけるNICを設立し、チェック・ポイントのファイアウォールを搭載したVPN/ファイウォールアプライアンスを発売し、日本国内のセキュリティ市場に本格参入した。Linuxをベースに、セキュリティ面を強化した独自開発のOS「IPSO」を搭載しているのが、同社のアプライアンス製品の大きな特徴。大規模企業向けのアプライアンス製品を中心に展開しており、富士キメラ総研によると、01年度の日本国内のファイアウォール/VPNアプライアンス市場の金額シェアは27%でトップシェアとなった実績を持つ。
  • 1