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フォーバルクリエーティブ Linuxベースのセキュリティソフト 官公庁や教育機関向けに発売

2003/07/21 19:28

週刊BCN 2003年07月21日vol.999掲載

 セキュリティ製品の販売などを手がけているフォーバルクリエーティブ(浦野義朗社長)は、Linuxベースのセキュリティソフト「Astaro(アスタロー) Security Linux」の販売を開始した。オープンソースの採用に積極的な官公庁や教育機関などの公共分野を中心に売り込む。今後、自社だけでなく二次代理店網も構築する方針で、多角的な販売体制を築く。

 「Astaro Security Linux」の開発元は、独セキュリティソフトベンダーのアスタロー AG(カールスル-エ市、ヤン・ヒッヘルトCEO)。このほど、フォーバルクリエーティブが国内の独占販売代理店契約を締結、日本市場で初めて販売を開始することになった。同社では、サポートサービスなど独自の付加価値を提供し、総合的なセキュリティ商品として売り込む。

 同ソフトは、OSにLinuxを採用し、オープンソースのファイアウォールやアンチウイルス、スパムフィルタリングなどの機能が盛り込まれている統合セキュリティソフト。Linux

OSと各アプリケーションのすべてを1枚のCD-ROMに収録しており、インストールが簡単に行えることが大きな特徴。

 設定やアップデートもウェブブラウザ上で行うことが可能で、Linuxの知識がないユーザーでも容易に利用できる。ラインアップは、小規模ネットワーク向け(10-25IP)、中規模ネットワーク向け(50ー100IP)、大規模ネットワーク向け(250-無制限IP)の3種類を用意している。

 浦野社長は、独占販売権を獲得した目的について、「Linuxは今後需要が見込める分野なので、いち早く製品ラインアップに加える必要があると判断した」と話す。

 同時に、「ファイアウォールなどのセキュリティ製品の需要は、大企業を中心に頭打ち傾向にある」とも指摘する。それに対応して、同社の主軸商品である「チェックポイント」などのセキュリティ製品は、大企業ユーザーの支社・支店レベルを狙いとし、「Astaro Security Linux」は、オープンソースの採用に積極的な官公庁や教育機関向けというように住み分けを図る。

 同社では、自社での販売だけでなく、二次販売代理店も募集していく考えで、「官公庁や教育機関をユーザーにもつ企業や、Astaroをハードウェアと組み合わせ、アプライアンス化して販売を手がけられる企業などを中心に幅広く募集していく」(浦野社長)考えだ。
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