ニュース

NTTソフトウェア 組織再編を実施、営業体制の強化図る 一般企業の受注を増やす

2003/08/25 19:30

週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載

 NTTソフトウェア(鈴木滋彦社長)は、NTTグループ内からの受託開発だけでなく一般企業の受注も増やすため、営業体制などを強化した組織再編を行った。

 これまで技術単位で設置していた18事業部を3つの事業グループにして、ネットワーク基盤からアプリケーションまでを提供する「垂直統合ソリューション」体制にした。これによって新規プロジェクト別に要員配置を流動的に行えるようにした。

 同社の事業は、主にグループ内からの受注に頼ってきたが、2000年度(01年3月期)から3年連続赤字になり、抜本的な経営改革が求められていた。今回の組織再編にともない、パートナー企業も減らす方針だ。

 組織再編では、NTTグループ企業の主力であるモバイルやネットワークなど技術単位の18事業部を、技術や営業、企画など複数の事業ユニットをもつ3つの事業グループにした。

 同グループは、「モバイル&セキュリティ」、「ネットワークサービス」、「エンタープライズ」の大きなまとまりにし、各グループ長には取締役を置き、事業の開始や中止の決定などを俊敏に行う体制にした。

 同社はこれまで、NTTグループ内からの受注が収益の柱だった。しかし、「グループ内企業が増え競争が激しくなり、一般企業に向けた営業体制の必要性が高まった」(高橋成美・経営推進本部経営企画部担当部長)と判断した。

 これにともない営業戦略本部を強化したほか、各事業グループに「営業SE部門」というソフトやシステム開発の設計と営業を兼ね備えた部署を配置しているのが特徴だ。同戦略本部の担当者が受注した案件を、営業SE部門が収益性の高い事業に練り上げ、提案書をまとめる役目を担う。

 営業力を強化し新たな納入先を開拓する一方で、不採算事業や開発過程の管理を行う全社横断組織として「生産性革新センター」も新設した。

 同センター内のプロセスマネジメント部門では、すでに進行している案件であっても、事業単体で赤字が出そうなものについては、方向転換を指示するなど、開発現場から独立したチェック機能を果たす。

 また、同リソースマネージメント部門では、「これまで、野放図に提携してきた協力会社を見直す」ため、案件別にパートナー企業を厳選していく方針だ。

 一般企業向けの受託開発について、同社は「急激な拡大は難しい」と見ているが、乱立するグループ内子会社の再編に向けた動きを睨みながら、将来的に得意分野を増やし足場固めをしていく考えだ。
  • 1