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キャップジェミニ・アーンスト&ヤング 「テクノロジー」の事業を強化 ベンダーとのアライアンスや組織を拡充

2003/09/01 19:32

週刊BCN 2003年09月01日vol.1004掲載

 仏コンサルティング大手(パリ)の日本法人、キャップジェミニ・アーンスト&ヤング(CGE&Y、印藤公洋社長兼CEO)は、システムインテグレーション事業を強化する。これまで、主力事業のコンサルティングを中心に展開してきたが、上流工程のコンサルティング事業にとどまらず、システム構築からサポートまで、総合的なITサービスを幅広く提供していく方針だ。ベンダーとの協業体制の強化や組織体制の見直しも行う。

 仏CGE&Y社の事業区分は、業務プロセスの効率化支援や経営支援の「コンサルティング」、情報システムのインテグレーションやネットワーク構築を手がける「テクノロジー」、ネットワークの運用管理などの外部委託サービス「アウトソーシング」が3本柱。2002年度(02年12月期)の売上比率は、ワールドワイドで「テクノロジー」が42%と最も高く、次いで「アウトソーシング」が27%、「コンサルティング」が25%、残りが「その他」となっている。

 だが、日本市場では「コンサルティングの売上比率が約80%を占めている」(印藤社長兼CEO)状況にあり、「テクノロジー」は10%にも満たないという。今年7月に社長兼CEOに就任した印藤氏は、「これまでは一部の案件などに限ってシステム開発やインフラ構築サービスを提供してきただけだった」という。コンサルティング案件の増加や、SE(システムエンジニア)などの人員不足などで、「テクノロジー」事業を幅広く提供できる組織体制が十分に整っていなかった。

 今後は、「日本でのビジネスを考えている海外企業や、海外進出を計画する日本企業などを中心に、『テクノロジー』と組み合わせたコンサルティング提案を積極化させる」戦略に沿って、「テクノロジー」事業を強化していく方針だ。ベンダーとの協業体制の強化や、「テクノロジー」事業を手がける組織の拡充も、SEを中心に行っていく。

 仏CGE&Y社は、欧州を中心に世界約30か国で事業展開するコンサルティング大手。00年5月に、アーンスト&ヤングとキャップジェミニが合併して設立された。キャップジェミニは経営支援などのコンサルティングが中心だったのに対し、アーンスト&ヤングはIT関連のコンサルティングを得意としていた。

 02年度の売上高は、約70億4700万ユーロ(約9513億4500万円)。地域別の売上構成は、欧州が約66%と過半を占め、北米の32%、アジア・パシフィックの2%と続く。日本での展開は、97年2月に日本法人、日本アーンスト&ヤングコンサルティングとして事業を開始した。
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