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NECフィールディング アプリケーションベンダーとの協業強化 保守サービス体制の構築進める

2003/09/08 19:32

週刊BCN 2003年09月08日vol.1005掲載

 NECフィールディング(富田克一社長)は、アプリケーションベンダーとの積極的な協業を図る方針を固めた。

 これまで同社は、ハードウェアや基本ソフト(OS)、ネットワークなど基盤部分の保守サービス(導入や展開、運用などを含む)を中心に8期連続増収増益を達成している。

 今後は、ミドルウェアやアプリケーションにまで踏み込んだ統合的な保守サービス体制を構築することで、持続的な成長を目指す。

 ただし、アプリケーションは顧客の業務に密着しているケースが多く、NECフィールディング単独での一律的な保守サービスが提供しにくい。この解決策として、開発元のアプリケーションベンダーとの協業を進める。

 NECフィールディングが顧客との窓口となり、電話サポートや保守人員の派遣を担当。その一方で、開発元のアプリケーションベンダーから技術支援を得られる仕組みをつくる。

 ハードウェア分野では、6月にサン・マイクロシステムズと業務提携するなど、マルチベンダー化を進めているものの、ソフトウェア分野での協業は、今後の重要課題となっていた。

 富田社長は、「すべてのアプリケーションに対応するのは不可能だが、業界標準となっているアプリケーションを中心に、開発ベンダーとの協業体制の構築を急ぐ」と話す。

 パッケージ化されているアプリケーションの不具合をNECフィールディング単独で修復するのは不可能であり、この点でも開発元との提携が不可欠だという。

 NECフィールディングとの提携は、アプリケーションベンダーにとっても利益がある。

 「当社の保守人員は、常に顧客に張り付き、実際に稼働しているシステムの中身や、その実際の使われ方を誰よりもよく熟知している。当然、こんな機能が欲しいという声も聞いており、そうした情報をベンダーに還元すれば、次期製品の開発に役立つ。顧客の需要を的確に捉えた提案活動にも応用できる」と、協業への意欲を示している。
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