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ケイ・ラボラトリー 外出先からイントラネットに簡単アクセス OEM供給を中心に売上高4億円見込む

2003/09/29 19:32

週刊BCN 2003年09月29日vol.1008掲載

 携帯電話向けコンテンツ事業などを展開するケイ・ラボラトリー(真田哲弥社長)は、イントラネットに外出先からアクセスできるASPサービス「セキュリティの匠」を販売開始した。外部からイントラネットにアクセスするシステムとして主流のVPN(仮想私設専用網)に比べ、コストを抑えられるほか、複雑な設定を必要としないのが特徴。ソフトベンダーへのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を中心に展開していき、来年度(2005年3月期)には約4億円の売り上げを目指す。

 「セキュリティの匠」は、外出先から社内などのイントラネットへアクセスできるASP型サービス。運用は同社のデータセンターサーバーで行うため、ユーザーは同社が独自開発した専用ソフトを、イントラネット内のアクセスを許可したいウェブサーバーにインストールするだけで利用できる。また、外部からアクセスする端末の設定も容易で、ソフトのインストールは必要なく、暗号・認証技術であるSSLを利用した証明書を組み込み、パスワードを入力するだけで利用が可能だ。クライアント端末は、パソコンをはじめ、携帯電話やPDA(携帯情報端末)にも対応している。これまで同社が社内で活用していたシステムに、追加開発を行い製品化を図った。

 真田社長は、「従来、モバイル機器からイントラネットへアクセスするには、専用サーバーが必要だったためコストがかかり、セキュリティの設定も複雑で、専門知識を持ったシステム管理者が必要だった。当社では、このような課題に取り組み、すでに『セキュリティの匠』の基本となるシステムを社内で利用していた。製品化においても十分な実証実験を繰り返してきた」と、新サービスに自信をみせる。販売は、グループウェアやCRM(顧客情報管理)ソフトなどを手がけるベンダーへのOEM供給を中心に展開していく。すでに、5社程度のベンダーと商談を進めており、1社のグループウェアベンダーに販売した。今後は通信事業者への販売も行っていく。

 同社は従来、携帯電話向けコンテンツ事業を中心に展開していたが、「携帯電話のコンテンツ市場は、ほぼ飽和状態にある」(真田社長)と、新たなビジネスモデルを模索していたという。「携帯電話をはじめとするモバイル機器は、今後も技術が進化し、用途が広がっていくと確信している。コンテンツ事業だけにとどまらず、モバイル環境において必要なシステム開発やASPサービスのラインアップを増やしていく」と、新たな事業分野での売り上げ拡大を狙う方針だ。
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