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SPSS 2004年から新ロゴに 将来予測ソリューションを提唱

2003/12/22 19:39

週刊BCN 2003年12月22日vol.1020掲載

 エス・ピー・エス・エス(SPSS)は、2004年1月1日から会社ロゴの変更を行うとともに、「プレディクティブ・アナリスティクス・ソリューション」というコンセプトのアピールを強化する。ここ数年ビジネス・インテリジェンス(BI)ツールベンダーとして紹介されることが多かったが、「現状分析を行なうBIに加えて、将来予測ができるプレディクティブ・アナリスティクス・ソリューションツールをもっていることをきちんとアピールする」(村田悦子・上級副社長=写真)と、競合との差別化戦略を明確にしていく方針だ。同ソリューションツールの価格は400万円からで、初年度50社への販売を目指す。

 SPSS日本法人は設立から15年となるが、「当初は統計解析ツールを提供するベンダーとして、主に大学など研究機関を顧客対象としたソフトメーカーだった。その後、買収などによって企業をターゲットとしたデータマイニングツールなど品揃えを増やしてきた」(村田上級副社長)と、企業向けのビジネス展開を図ってきた。プレディクティブ・アナリスティクスとは、現状および将来を導き出すための分析手法。これに同社のソフトを加味し、主力ソリューションとしてアピールしてきた。

 「プレディクティブ・アナリスティクスはERP(基幹業務システム)やウェブシステムなどに蓄積されたデータを、BIツールで現状分析するだけではなく、将来予測を導き出し、企業の意志決定のプラスとなるソリューションを提供する。企業が費用対効果の明確化を求めるなかで必要性が増している」(村田上級副社長)と、企業にとって有用なツールであることを力説する。同社が、04年から新たなロゴを採用し、プレディクティブ・アナリスティクスをアピールするのは、日本では各ソフトごとの連携がとれているものの、米国などでは企業買収によって新たな部門が加わったために、ソフトごとに事業部門が異なっていたという事情がある。米国でも日本法人同様、各ソフト事業が連動してビジネスを行う体制が整い、新たなロゴとプレディクティブ・アナリスティクスソリューションを提唱していくことにした。

 同ソリューションを具現化した製品として、手始めに12月25日に「Web Mining for Clementine(ウェブマイニング フォー クレメンタイン)」を出荷する。これは、ウェブサイトにアクセスしたユーザーの動向を把握し、ウェブサイトの利用しやすさを向上するツール。ウェブログデータの高速分析ソフト「ネットジェネシス」のエンジン部分をモジュール化し、データマイニングツール「クレメンタイン」の外部モジュールとして、ウェブログデータの読み込みを可能とした。ウェブログを読み込んだ後はクレメンタインのマイニング機能を自由に活用できる。クレメンタインは、すでに「Text Mining for Clementine」を使用することでテキストマイニングが可能になっており、今回の「Web Mining for Clementine」を加わることで、データ、テキスト、ウェブログデータを扱える統合型マイニングプラットフォームとなる。
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