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シスコシステムズ 中堅市場の開拓でウェブ支援サイトを開設 提案書のダウンロード可能に

2004/03/08 20:24

週刊BCN 2004年03月08日vol.1030掲載

 ネットワーク機器を100%チャネル販売しているシスコシステムズ(黒澤保樹社長)は、中堅企業向け市場を開拓するため、会員制のパートナー支援ウェブサイト「e-Cisco Club」(http://www. cisco.com/jp/e-ciscoclub)を開設した。従来は、1次契約パートナー26社を通じて大手企業を中心に拡販をしてきたが、「この26社の2次店などに向けて情報を発信する」(石原洋介・市場開発フィールドコミュニケーション部プログラムマネージャ)ことで、従業員100-1000人規模の中堅企業をターゲットにした提案書作成などでパートナーを支援する。同サイトでは12月までに中堅企業のシステム構築に実績のある約5000人の会員を獲得する計画だ。

 「e-Cisco Club」では、高度化するネットワークソリューションの提案や構築、保守、運用を行うパートナーを支援するため、「シスコ提案サポート」のコーナーを設置。IPテレフォニーやワイヤレスLAN、セキュリティ、ストレージなど、同社製品などを組み合わせ、ユーザー企業にシステム提案する際の問い合わせに応じる。

 石原プログラムマネージャは、「企業規模や要件に応じ、他社製品を含めた製品の仕様や選定、構成などの簡易レビュー版をパワーポイントでダウンロードできる」と話す。

 サポートコーナーでは、同社が中堅企業向けに導入した成功事例や、業種特化型のソリューションを例示したライブラリーを設けたほか、他社製機器との性能比較やベンチマークを計測するためにデモ機器の貸し出しも行う。同社のルータやスイッチを中心としたネットワーク構築に、パートナー独自の会計システムやアプリケーションなどを付加して、ユーザー企業に提案できるよう支援する。

 また、ウェブ上のビデオオンデマンドを活用したトレーニングも提供する。トレーニングは無料で、新入社員向けの基礎カリキュラムと、シスコ技術者認定制度に関する学習コンテンツを持つ教育機関の有料eラーニングなど、多彩なメニューを用意している。

 シスコシステムズはこれまでも、パートナー向けに技術情報を発信していたが、「一方的に発信するだけで、提案書などのダウンロードや問い合わせの機能はなかった。会員制にすることで、パートナーとの連携も強固になる」(石原プログラムマネージャ)という。

 同サイトの会員登録には、伊藤忠テクノサイエンス(CTC)や大塚商会、富士通サポート&サービス(Fsas)など1次契約パートナーの推薦が必要となるが、「1次パートナーを通じ地場のシステムインテグレータなどに登録を拡大。幅広く営業したい」(同)と、販売網の拡大を積極化する計画だ。
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