ニュース

富士通システムソリューションズ 中堅企業向けSAPビジネスを強化 BMCと提携し運用管理サービス開始

2004/03/15 20:24

週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載

 富士通システムソリューションズ(Fsol、秦聖五社長)は、BMCソフトウェア(BMC、藤野雅俊社長)と業務提携し、BMCのSAP製品運用管理ソフトの世界標準である「パトロール フォー SAPソリューション(パトロール)」の販売に乗り出した。これを受け、Fsolは3月3日から、ERP(統合基幹業務システム)の「SAP/R3」など、SAP関連の新サービスを開始し、年商1000億円規模の中堅企業をターゲットにしたビジネスを強化する。FsolのSAP関連サービスは年間15億円程度の売上高だが、これを2004年度(05年3月期)に20億円まで伸ばす計画だ。

 パトロールは、SAP製品の稼動監視システムで「ディスクの許容量オーバーやメモリ不足、バッチ処理の遅延など、突発的な稼動不具合の問題解決を素早くできるツール」(産業ソリューションサービス本部ERPソリューション部の多東正人氏)。Fsolはこのツールを核に、すでにSAP/R3などを導入あるいは構築中の企業に対し、導入支援と稼動支援サービス、問題解決のサポートなどの提供を開始した。

 SAP/R3を導入する大企業の場合はSAP専任のシステム担当者が存在する。だが、「中堅企業はシステム担当の人員が不足し、稼動不具合が放置され、問題の発見が遅れがち。Fsolの支援サービスにより、システム稼動のばらつきを改善できる」(片居木浩志・産業ソリューションサービス本部ERPソリューション部上級プロダクトマネージャー)と、中堅企業でもSAPを安心して導入できるという。

 新サービスは、SAP/R3などを構築中の企業に対する「導入支援サービス」が年間70万円から、実働段階にあるシステム監視の「稼動支援サービス」が月額45万円から、不具合を発見してシステムを見直す「改善支援サービス」が12万5000円から、などとなっている。

 Fsolは近く、自社で開発したSAP会計システム「スターパック」をSAPジャパンの中堅企業向けソリューション「マイSAPオールインワン」のテンプレート(ひな形)に登録し、短期間でSAPシステムを導入できる新製品として発売する。片居木・上級プロダクトマネージャーは、「SAP/R3は化学や自動車などの大企業に浸透している。こうした大企業の取引先である中堅企業では、SAPの導入を検討する例が多い」と、中堅企業に対して、スターパックによる新規顧客の獲得とパトロールを使った支援サービスによる既存顧客の定着に使っていく考えだ。

 Fsolでは、自社のアウトソーシングによるERPシステム「AplSERVE」や富士通のERPパッケージ「グロービア-C」など、中堅企業向けERP製品を揃えているが、「特定の業界では、SAPの影響力は大きく、当社も幅広く中堅企業を狙うため、1つの武器としてSAPビジネスを強化する必要があった」(片居木・上級プロジェクトマネージャー)と説明している。
  • 1