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オービックビジネスコンサルタント 64ビット対応の新ERPを発売 大量の伝票処理を高速化

2004/03/15 20:24

週刊BCN 2004年03月15日vol.1031掲載

 オービックビジネスコンサルタント(OBC、和田成史社長)は、中堅・中小企業向け業務ERP(統合基幹業務システム)「奉行シリーズ」の機能をアップした64ビット対応の新製品「奉行21Ver.Ⅱ」を発売した。既存のメイン顧客層である中堅・中小企業から大量の伝票処理を効率的に行う要求が増えたことから、「処理時間の短縮を図るため、より高度な実行環境を提供する必要があった」(大原泉・取締役販売推進本部長)と、いち早く64ビット対応製品を中堅・中小企業向けに製品化した。今後、需要拡大が見込まれるオフコンのリプレースやメインフレーム(汎用機)からIAサーバーへの移行などの需要を取り込み、2004年度(05年3月期)で500システムを目指す。

 「奉行21Ver.Ⅱ」シリーズでは、64ビットのインテル「アイテニアム2」プロセッサのプラットフォームに対応した「奉行21Ver.Ⅱ新ERPブロードバンドエディション64ビット」を追加した。また、販売管理の「商奉行21Ver.Ⅱ」や仕入れ・在庫管理の「蔵奉行21Ver.Ⅱ」、財務会計の「勘定奉行21Ver.Ⅱ」など9製品を64ビット対応とした。価格はいずれもオープン。商品により異なるが、参考価格として5ライセンス版で225万-351万円を想定している。

 同社によると、前バージョンの「商奉行21」(32ビット4CPU)と新製品(64ビット2CPU)を比較すると、販売管理の翌年度更新処理の場合で処理速度が230%も向上するという。「製造・卸業など、明細書が2500万枚以上に及ぶ企業でも、突発的なシステム負荷の増大に際してダウンすることなく運用できる」(大原取締役)と、自信を見せる。

 「奉行21Ver.Ⅱ」は、全国3000社の同社パートナーを通じて販売する。特に、「ウィンドウズNT4.0」のサポート終了にともない、64ビット版の「ウィンドウズ・サーバー2003」や「SQLサーバー2000」への移行需要に相乗りしたり、オフコンディーラーと協業してオープンシステムへのリプレース需要に向けた取り組みを本格化することで、中堅・中小企業の新しい市場を開拓する。

 最近では、ヒューレット・パッカード(HP)の「HPインテグリティrx 2600」やデルの「デル・パワーエッジ3250」など、100万円を切る中堅企業向け64ビット版サーバーモデルが登場している。「パフォーマンスが高く、しかも低価格のサーバーが登場したので、当社の奉行新ERPを搭載してパフォーマンスに優れた業務システムが提供できる。IT投資のトータルコストを大幅に減らせ、その浮いた資金で別なIT投資ができる」(大原取締役)と、ハードベンダーとの協業も積極化する考えだ。
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