ピア・ツー・ピア(P2P)基盤のネットワークパッケージ製品を開発するアリエル・ネットワーク(小松宏行社長兼最高経営責任者)は、主力製品の中小企業向けプロジェクト管理用グループウェアと、システムインテグレータなどに提供するP2P技術を活用したソフト開発キットの販売を本格化する。

 グループウェアは、「スタートダッシュキャンペーン」を実施し、5月までの間、販売会社を募り、1ライセンスを無償頒布するほかセールスに必要な事例集や製品パンフレット、ケーススタディなどを提供する。小松社長は、「グループウェアで認知度を高め、開発キットで当社独自のP2P技術基盤を広めたい」と、意欲を見せる。

 3年前に発売された「エアワン」は、パソコン上にセットアップするだけで情報共有ができるP2P版のグループウェア。これまでに1万ユーザーを獲得している。この後継版として昨年9月には、プロジェクト管理機能などを搭載した「エアワン・プロ」をリリース。

 「エアワン・プロ」は、PDA(携帯情報端末)などモバイル環境からもプロジェクトの情報共有ができるセキュリティ機能を新たに搭載している。だが、「評判は高いものの、もうひとつ導入が少ない」(小松社長)と、今回のキャンペーンを企画し普及を図ることにした。

 キャンペーンでは、登録したリセラーなど販売会社に対し、グループウェア導入の事例集や導入のケーススタディ、製品パンフレットなどセールスツールを提供するほか、セミナーなどを開催していく。キャンペーン中は、1ライセンス(税込1万9000円)を無償で提供し、販売会社で試験的に活用してもらい、その評価を販売に生かしてもらう考え。

 また、今年1月23日には、P2P技術を活用したアプリケーション構築に使うソフト開発キット「フレームワーク・ソフト開発キット」を発売した。同社が開発したP2P技術の独自プロトコル「アリエル・SOMAプロトコル」を使い、「グループウェアにとどまらず、異なるP2P関連のソフト開発に使える」(小松社長)と、日本での浸透次第では、数年後にこの基盤技術を北米市場でも展開していく意向だ。

 同社の今年度(2004年3月期)の売上高は約1億円。来年度はグループウェアと開発キットの販売でさらに売上拡大を図り、将来的には株式公開も目指していく方針。