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台湾ベンキュー 中国やインドで新規顧客開拓を加速 04年度は売上高を前年の1.5倍に

2004/04/12 20:44

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

 台湾のパソコン周辺機器メーカー、ベンキュー(K・Y・リー会長兼CEO=写真)は、中国やインドなどで新規顧客開拓を加速する。ディストリビュータやシステムインテグレータ経由で法人ビジネスの拡大に注力。液晶テレビや液晶モニタ、DLP(デジタルライトプロセッシング)プロジェクタなど主力製品を武器に、中国やインドなど未開拓市場の掘り起こしで売上高を伸ばす。今年度(2004年12月期)の売上高は、前年度比50%増の約5000億円を目指す。

 ベンキューは、台湾・台北を本拠地に、欧州や日本、米国など26か国に支社や営業所をもつ。売上比率は、欧州が45%前後、アジア・パシフィックが約35%、米国およびその他地域が20%を占める。リー会長は、「今年も欧州が主力地域になるが、売上比率が低い地域でなおかつ成長が予想されるエリアのビジネスも拡大させることで、全体の売り上げを伸ばしていく」方針だ。なかでも、「インドと中国は、これまで未開拓だった」とし、現地のディストリビュータやシステムインテグレータの開拓を進めていく方針。インドでは、「量販店が少ない」ため、法人ビジネスに力を入れていく。

 中国では、北京や上海などの大都市だけでなく、省単位で人口70-80万人の地域250か所でビジネスを展開している。現在は法人ビジネスが中心。しかし、個人消費についても「中国はIT関連製品を購入する潜在需要が最低でも3億人はいる」とみており、個人向けビジネスにも進出する。対象顧客を増やすために、「主要都市で展開するだけではなく、20万人程度の地区もターゲットに入れて潜在需要を掘り起こしていく」考え。現地の販売代理店を確保するなどして、対象地区を「500-600地区まで増やしたい」意向だ。

 同社の主力地域である欧州では、液晶テレビを中心に売上高を伸ばしている。今年度第1四半期は前年同期比2倍以上の売り上げを達成。欧州サッカー連盟開催の「ユーロ2004」にスポンサー企業として参加し、「ブランド向上にもつながった」というのが急成長の要因だ。一方、かつては主力地域と位置づけていた米国が個人消費の伸び悩みから、「伸び率が鈍化している」とし、全体の売上増の足を引っ張る要因になっている。新規開拓する地域の増加により、米国の売上減を補う計画だ。
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