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弥生 乗り換えキャンペーン開始、通常より約4割安く提供 改正消費税の需要も喚起へ

2004/04/12 20:44

週刊BCN 2004年04月12日vol.1035掲載

 業務ソフトウェア大手の弥生(平松庚三社長)は、昨年11月に発売開始した会計ソフト「弥生会計04スタンダード」の乗り換えキャンペーンを実施する。他社製品から弥生会計への乗り換えで通常税込み価格の約4割引で提供する。発売は4月16日からで、5000本の限定。4月1日からの改正消費税に関連して、「パソコン量販店から、販促に活用したいと要望が多かった」(相馬一徳・執行役員営業本部担当)と、改正消費税の施行による初期需要を見込み、競合する会計ソフトへの対抗措置として行う。

 乗り換え版は、廉価に設定しながらも実際の帳簿や伝票イメージのままの入力画面で使えるほか、資金調達や運用の流れを把握できる「資金繰りシミュレータ」機能を搭載するなど、弥生会計04スタンダードと同じ機能をもつ。他社の会計ソフトのユーザーから弥生会計に乗り換えるユーザーに限り、税込み価格で通常4万2000円を2万6250円で限定5000本提供する。

 同社は、これまでにも「弥生会計02スタンダード」や「弥生会計03スタンダード」の発売と同時に、「バリューパック」として乗り換え用の廉価版を数量限定で出荷した実績がある。だが、今回の弥生会計04スタンダードの発売に際には、従来とは異なり乗り換え版の同時発売をしなかった。これについて、相馬執行役員は、「量販店の利益確保を考えると、乗り換え用の廉価版を出すのは得策ではないと判断した」と理由を説明している。

 しかし、4月1日から施行された改正消費税により、会計ソフトの需要が伸びているため、量販店側からタイミング良く改正消費税対応ソフトを売りたいというニーズが増加したことから、他社製品からユーザーを取り込むチャンスとみて急きょ市場投入を決めた。

 会計ソフトは、データ保存を必要とするため、互換性のない他社ソフトから乗り換えは少ない。しかし、同社のユーザー登録者のデータによると、弥生会計を購入するユーザーの53%は他社の会計ソフトを使い切れず、乗り換えたユーザーだったという。

 同社は改正消費税の需要期に合わせ、「挫折せず会計業務をコンピュータ化する『自計化』に向けた中小企業や個人事業者の取り組みを支援したい」(相馬執行役員)と、廉価版を突破口に中小企業ユーザーを開拓し、他の業務ソフトの販売にもつなげる考え。

 今回の販促キャンペーンで乗り換えの対象となる他社製品は、日本デジタル研究所の「出納帳」、ソリマチの「会計王」、エプソン販売の「財務応援」、ミロク・ユニソフトの「かんたん!会計」、BSLシステム研究所の「出納らくだ」──など、10社15製品の会計ソフトとなる。
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