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モジラ財団 5月に日本支社設立 テンアートニ本社内に事務所開設

2004/04/26 20:44

週刊BCN 2004年04月26日vol.1037掲載

 オープンソース方式のウェブブラウザ「モジラ」開発の「モジラ財団」は、5月中をめどに日本法人「モジラジャパン」(仮称)を設立する。当面の事務所はオープンソースソフトを中心にシステム構築を手がけるテンアートニ(喜多伸夫社長)社内に置く。役員構成は今後詰める。法人格の形態は、営利を目的にしない「中間法人」とする。

 国内には、モジラ関連の開発を進めるオープンソースコミュニティが複数存在することから、モジラジャパンでは、モジラ財団と日本支社が中心になって、これらコミュニティをとりまとめる“ハブ”の役割を果たしていく予定。

 モジラに詳しいテンアートニの喜多社長は、「ウェブブラウザは、ウェブサービスへの対応やセキュリティの拡充、迷惑メール対策など、まだまだ開発しなければならない余地が多くある。モジラは、こうした機能強化が日々進んでおり、モジラジャパンでは、モジラ財団と密接に連携しながら、進化を続けるモジラの普及・啓蒙活動や日本語化の作業などを進めることになる」と、モジラジャパンの設立により国内での普及に力を入れていく。

 Linuxなどオープンソースソフトを普及させていくカギとなるのが、高性能なウェブブラウザによる“リッチクライアント”の実現であるとされている。モジラをリッチクライアント実現に欠かせない“標準ブラウザ”へと成長させることができれば、オープンソースソフトを使ったクライアント端末の普及が急速に進むことが期待される。

 現在、オープンソースソフトは、サーバーへの適用は進んでいるものの、クライアント端末は、依然としてウィンドウズが圧倒的なシェアを占める。
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