ジャストシステム(浮川和宣社長)はソフトの業種特化に力を入れる。主力の日本語入力ソフト「ATOK」のカスタマイズで業種最適化を進め、販売増に結びつける。日本語入力機能だけでは、基本ソフト(OS)に組み込む形で販売しているマイクロソフトの同等製品に比べて劣勢にある。業種最適化によって差別化を図る。

 業種により頻繁に使う言葉や、使用できない言葉を事前にATOKに登録することで、作業効率の向上やコスト削減、セキュリティ対策に結びつける。たとえば、コールセンター業務などで入力作業をするとき、「クレーム」と入力すると、自動的に「ご意見」「ご要望」という単語に変換するようにする。

 社内文書の用語統一や表記の乱れをなくすことで、万が一、文書が外部へと漏れたときに、不適切な言い回しによる2次的なイメージダウンを事前に防止できる。「セキュリティの観点からも重要」(ジャストシステムの小野央軌・法人事業部ライセンスグループマネージャ)と、社会問題となっている内部情報漏えい対策にも有効だと話す。用語統一は情報検索の効率を高めるなど後々の再利用やデータベース化にも役立つ。

 変換に使う辞書は、サーバーからクライアントへとネットワークを使って配信するため、クライアントごとの個別設定が不要。こうした業種最適化を進めた一連の入力システムを「ATOKビジネスソリューション」として販売に力を入れる。

 今後は、マスコミ・出版や医療サービス、企業の法務部門など、「ATOKビジネスソリューション」の対応業種を増やしていくと同時に、ターゲットとする業種に強いシステムインテグレータなど販売パートナーとの関係も強化する。業種対応を進めていくことで、「ATOKのライセンス販売を加速させる」(同)と、ここ数年、伸び悩んでいた民間企業向けの拡販を目指す。