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スワン ERP新版でDB2一本化へ 日本IBMとの連携強化

2004/08/23 21:06

週刊BCN 2004年08月23日vol.1052掲載

 ERP(統合基幹業務システム)パッケージソフト開発会社のスワン(中野和典社長)は、主力ERP製品「ニュートリプルアール」のデータベースをIBMのDB2へ一本化することに決めた。年内に完成予定の新版・バージョン4からDB2を採用する。これにより日本アイ・ビー・エム(日本IBM)との関係を強化し、日本IBMの販売チャネルを活用した拡販に結びつける。

 ニュートリプルアールのバージョン4は、IBM製のデータベースを採用する一方で、アプリケーションのフレームワークとしてマイクロソフトの「.NETフレームワーク」に準拠する。これによって、マイクロソフトとの関係も強化していく。

 新バージョンの開発には億単位の投資が必要となる見込みで、中野社長は「投資を分散させることで、それぞれのリスクを小さくする」と、日本IBMとマイクロソフトのそれぞれのミドルウェアやOS(基本ソフト)を採用することで、投資リスクを最小限に抑えていく考えだ。

 データベース市場では、マイクロソフトが次世代データベース製品「SQLサーバー2005」を来年にも投入する見通しで、中堅・中小企業向けにパッケージソフトを開発するベンダー各社は「少なからずSQLサーバー2005を採用する方向に流れる」(中野社長)と予測。そうした中堅・中小市場の流れの中でDB2を採用することが、日本IBMとの協業関係の強化をより促進すると判断した。

 日本IBMはDB2の採用方針を受けて、ニュートリプルアールの販売支援に乗り出した。日本IBMの販売パートナーとの引き合わせや商材紹介など、ビジネスチャンスの開拓に力を入れている。ニュートリプルアールは、これまで中堅企業を中心に約100社への納入実績を誇る。新バージョンの販売目標は、これまでの実績と同様に中堅企業を主要ターゲットとし、発売後3年間で100社以上への販売を目指す。
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