北海道札幌市に本社のあるシステム開発のIPテレコム(関裕一社長兼CEO)はこのほど、国産初の企業向けLinuxサーバー専用OS「ネイチャーズLinux」の正規版を公開、9月から本格的に提供を開始する。今年3月には、ベータ版の段階でサン・マイクロシステムズなど15社と提携、ネイチャーズLinuxを活用して応用ソフトウェアや情報システムなどの開発、販売を行う任意グループ「ネイチャーズLinuxアライアンス」を設立していた。同グループを通じた間接販売を中心に、来年度(2005年9月期)は、全国で400-500社の導入を目指す。

 ネイチャーズLinuxは、オープンソースソフトとして自由に利用可能な開発版と監視サポート付き商用版の2種類。商用版は、国内にあるオープンソースのサーバー専用OSでは初めて、同社の「マネジメント・センター」で24時間365日のリモートシステム監視サービスや保守・メンテナンス、自動バッチ処理機能などを標準で提供する。

 既存のオープンソースOSは、サポート面や保証が不十分だったりしたケースもあった。だが、システム監視を装備したOSに注目が集まり、IPテレコムが今年3月に設立した「ネイチャーズLinuxアライアンス」には、サンや暗号技術のシーフォーテクノロジーのほか、NTTコムウェア北海道、富士通プライムソフトテクノロジなど15社が参画。しかも、グループウェアやセキュリティ関連のアプリケーション開発会社などと、「10月までに累計50社と提携できる。すでに100社程度から問い合わせがある」(勝野直義・営業本部 Nature's Linux営業部統括部長)と、急速にネットワークを拡大している。

 ネイチャーズLinuxは、開発版が無償でIPテレコムのサイト上からダウンロードできる。商用版は、利用する企業の規模により違うが、月額10万円程度で提供される見込み。ネイチャーズLinuxアライアンスのシステムインテグレータやアプリケーションベンダーなどが、自社のシステムやソリューション、ソフトと組み合わせ拡販するほか直販も行う。

 IPテレコムは現在、ネイチャーズLinuxアライアンスのパートナーと共同でハード・ソフト製品とネイチャーズLinuxの動作検証を急ピッチで進めているが、「あるハードメーカーとは、ネイチャーズLinuxを搭載したサーバーの製品化に向け準備を開始した」(勝野統括部長)としており、今後同OSを搭載したオープンソースのハード・ソフト製品が多数市場に出てきそうだ。

 IPテレコムは01年11月の設立で、年間ベースで最終純損益の赤字が続く。今回発売するネイチャーズLinuxで、来年度は年間400-500社に発売し黒字化を目指す。