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マカフィー ウイルスチェックサービス、50万ユーザーを突破 50人以下の企業が90%占める

2004/08/30 21:06

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

 マカフィー(加藤孝博社長)が開発・販売するASP(アプリケーションの期間貸し)形式のウイルチェックサービス「VirusScan ASaP(ウイルススキャンエーエスエーピー)」が、中小企業向けに販売を伸ばしている。2001年6月のサービス開始から、利用者件数が7000法人・自治体、50万ユーザーを突破した。全顧客のうち約90%を従業員50人以下の企業が占めており、中小企業の獲得で大きくビジネスを伸長させている。

 「ウイルススキャンエーエスピー」は、01年6月から販売開始し、今年7月末時点でマカフィーの売上高の約30%を占めるまでに成長している。サービス開始約半年後の02年第1四半期(02年1-3月期)時点では5%にも達していなかった。今年7月末時点で、顧客数は7000法人・自治体、クライアント端末数で50万を超えている。

 中小企業への販売が好調に推移しており、「社員数10人以下の企業が全顧客の約70%を占め、50人以下の企業でみると全体の約90%にまでおよぶ」(能地將博・マーケティング本部マーケティング部プロダクトマーケティング部長代理)という。能地部長代理は、「システム管理者のいない中堅・中小企業に“何もしなくて良い、全自動ウイルスチェック”というサービスコンセプトが広く受け入れられている」と好調の要因を説明する。また、サービスの更新率も「90%以上」(能地部長代理)と高く、SMBの中核商材として同サービスを位置付けている。

 定義ファイル更新の際の時間を短縮することで、モバイルユーザーにも快適に利用できるようにする機能を8月下旬から追加するなど、製品強化も進めている。

 好調の要因は、特徴的なASP型ウイルス対策。シマンテックとトレンドマイクロの競合大手2社が手がけられないサービスであるとともに、中堅・中小企業に強い販売パートナーを獲得していることも中小企業向けに強みを発揮している要因だ。

 リコーテクノシステムズやNECフィールディングなどが販売パートナーとなっており、「サポートサービスなどで、すでに中小企業に入り込んでいるパートナーが販売を伸ばしている」(能地部長代理)という。特に、リコーテクノシステムズは、プリンタなどリコー製品の保守サービスを手がけており、全国の中小企業を顧客として多く獲得している。リコーテクノシステムズは、その販売経路を有効的に使い、「昨年4月に販売パートナー契約を結んだが、現在は昨年同時期に比べ約100倍以上の取扱高で、パートナーの中でトップの売上実績」(同)としている。

 マカフィーでは、1000人以下の顧客をSMBのターゲットとしており、米本社を含めワールドワイドの重点戦略としてSMBに向けた販売・製品開発を強化している。日本市場では、リコーテクノシステムズのような中堅・中小企業に強い販売パートナーと手を組むことで、販売を伸ばしていく意向だ。
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