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日本ユニシス 開発プロセスを標準化 地域子会社の統合で

2004/08/30 21:06

週刊BCN 2004年08月30日vol.1053掲載

 日本ユニシス(島田精一社長)は、10月1日付で地域ソフト子会社6社を日本ユニシス・ソフトウェア(USK、藤田康範社長)に統合するのにともない、他社に先行する同社のSoA(サービス指向アーキテクチャ)や地域子会社のノウハウを生かし、グループ会社で統一的なシステムの開発プロセスや技法などの標準化を図る。これにより品質・生産性の向上を目指す。今年度(2005年3月期)中にシステム構築を従来より短期間にして、開発コストを10%以上削減することで、企業や自治体からの受注を増やす計画だ。

 地域ソフト子会社の統合により、日本ユニシスと子会社でバラバラだった開発プロセスや技法、ツールなどを統一し、効率化を図る。企業のIT投資の低価格化要求が高まっているほか、中堅企業のレガシー(旧式)システムが入れ替え時期にあるため、「人的なリソースや技術的なノウハウを集結させ、効率良くシステム構築をして受注を狙う必要性が高まった」(USKの丸山修・代表取締役専務執行役員)と、運用・サポートを担う子会社のユニアデックスを含めグループ全体の競争力強化を図る。

 日本ユニシスは、企業内システムを統合するための同社独自のウェブコンサルティングサービス「ルキナ」と、2年前から本格的に導入しているSoAやEA(業務システム最適化手法)、地域子会社が独自に蓄積したノウハウ、オフショア開発などグループ会社で共有化するため、業種・業態別の統一的なシステム構築手法を作る。

 グループ再編により、日本ユニシスからUSKにシステムエンジニア(SE)約750人が異動。日本ユニシスはルキナをベースに上流コンサルティングや提案営業などに集中する。「.NETを中心にした新たな開発プロセスをSEだけでなく、営業担当にも徹底して、企業のCIO(最高情報責任者)など代表者にシステム提案できるような体制を築く」(丸山専務執行役員)ことで、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)や富士通などに対抗する。

 統合するのは、北海道(札幌市)、東北(仙台市)、中部(名古屋市)、関西(大阪市)、広島(広島市)、九州(福岡市)の各ソフト・エンジニアリング6社。6社の約750人と日本ユニシスからの異動でUSKは約3400人体制になる。昨年度(04年5月期)の売上高は、USKが約450億円、地域子会社6社で約100億円。今年度は統合により、合計で760-800億円の売上高を見込む。統合後の地域子会社はUSKの支社もしくは支店などとして存続する予定。
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