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新日鉄ソリューションズ 従量課金制サービスでオラクル以外とも協業へ 大手ソフトベンダーを開拓

2004/09/13 21:09

週刊BCN 2004年09月13日vol.1055掲載

 新日鉄ソリューションズ(NSSOL、鈴木繁社長)は、日本オラクルのERP(統合基幹業務システム)を導入した企業に対するオンデマンド型の運用・管理サービスの提供に続き、この従量課金制サービスを用いて将来的にオラクル以外のERPベンダーなどとも協業する。NSSOLは、ERPなど基幹系ソフトウェアを開発・販売する大手ソフトベンダーなどを中心に協業先を開拓し、国内3か所のインターネットデータセンター(IDC)を活用した事業を拡大する。

 NSSOLが開始したITシステム運用・管理サービス「オラクル・オンデマンド@NSSOL」は、日本オラクルのERP「オラクルEビジネススイート(EBS)」を導入する企業に対し、1ユーザー月額3万円で提供する。

 日本オラクルだけでなく、ERPを開発・販売したり、基幹系システム構築を行うITベンダーは多い。NSSOLでは、「当社はインターネットデータセンター(IDC)が、今回のサービスの中核を担う葛西センター(東京都江戸川区)を含め、全国3か所にある」(森雅英・ビジネスサービス事業部ITソリューション部部長)としており、ERPベンダーのほかオフコンやメインフレームなどレガシー(旧式)システムをオープンシステムに再構築するソリューションを持つシステムインテグレータなどから、同様のITシステム運用・管理サービスを受託することを目指す。

 日本オラクルのEBSと似た基幹系ソフトを扱うベンダーとしては、SAPジャパンやサン・マイクロシステムズ、マイクロソフトのほか、国産ERPベンダーなど数多く存在する。森部長は、「まず、日本オラクルとの協業を軌道に乗せ、その後に、オラクル以外のベンダーへアプローチする」と話しており、オラクルとの協業以外にも提供先を求めていくと強調する。

 オラクル・オンデマンドNSSOLのIDCは、NSSOLの葛西センターに設置。NSSOLのSE(システムエンジニア)など約20人が常駐し同サービスを担当している。OSライセンスやハードウェア、ストレージ、VPN(仮想私設網)などの保守、トラブルに際しての優先的な対処、トランザクションの監視、EBSの運用支援などを行う。オラクル製品だけでなく、システムに混在する異機種やソフトについてもサービスの一環で扱っている。日本オラクル以外のITベンダーとの協業が拡大したり、ユーザー数が増えた場合は、順次人員を増やす。

 同サービスを利用してオフコンやメインフレームをEBSを中心にオープンシステムへ再構築した場合、50ユーザーで約6000万円。同サービスを使わない場合と比べ、半分以下の価格だ。企業のIT投資が回復基調にあり、かつ短期間で導入するニーズが増えるなかで、従量課金制で遠隔監視するNSSOLのサービスは、今後、他のITベンダーにも拡大しそうだ。
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