【ソウル発】モバイル衛星放送対応携帯電話が韓国で今年1月から発売される。韓国では、DMB(デジタルマルチメディアブロードキャスティング)と呼ばれるモバイル放送は衛星と地上波に分かれる。1月から実験放送が始まる衛星DMB携帯端末は三星電子が、3月から始まる地上波DMB携帯端末はLG電子が開発した。

 1月にSKテレコムから発売される三星電子の「SCH-B100」は、2.2インチの画面に200万画素カメラ、GPS(全地球測位システム)、放送録画、MP3再生機能が付き、テレビは2時間30分連続視聴できる。5月の衛星DMB商用放送まで無料で視聴できるようにし、3-4万台の販売を計画している。

 世界標準化を目指し、三星電子とLG電子はDMB携帯開発に必要なチップなどを世界で初めて昨年2月に開発完了している。三星電子は衛星DMBチップにSOC(システムオンチップ)を内蔵し、衛星から送られてくる信号の選択やユーザー認証をより簡単に行えるよう、多様なアプリケーションを1つのチップに搭載した。三星電子は衛星DMB携帯の開発で、衛星DMB受信設計技術など衛星DMB放送関連の中核技術およびプラットフォーム開発はもちろん、地上波DMB携帯の開発技術まで確保した。

 LG電子もA/V処理部をワンチップで統合した地上波DMBチップを開発した。LG電子が世界で初めて開発した地上波DMB携帯は携帯電話からVHF帯域地上波モバイル放送を受信できる。このチップは地上波DMB端末のテレビ視聴時間を3時間に延ばした。既存の端末は最大2時間しか視聴できなかった。LG電子はこのために2年間の開発期間と研究員130人、開発費200億ウォン(約20億円)を注ぎ込んだ。世界初という先行メリットを生かし、ヨーロッパ、南米、中国など世界市場の地上波DMB標準を狙っている。

 今年は7億3千万台と予想されている世界携帯電話市場で韓国メーカーが占める割合は大きくなりそうだ。莫大なロイヤリティを支払ったCDMAとは違い、DMB携帯電話では世界市場での韓国の独走が予想されている。

 携帯電話だけでなくブロードバンドインフラやネットワーク・インレグレーション部門に集中していたネットワーク設備メーカーも地上波DMB市場に積極的に参加している。DMBは今年以降最も期待される分野であるため、DMB専用端末事業はもちろん、テレビ局の領域であったDMB事業権確保にまで手を伸ばしている。

 大手携帯製造メーカーとは別に中堅メーカーでも電力消耗が少なくクオリティの高い解像度でDMBを利用できる商用化チップの開発が終わり、このチップは2月頃から携帯電話およびDMB端末に適用される予定である。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)