日本、中国、韓国によるOSS(オープンソースソフトウェア)の推進で、各国が担当する具体的な作業内容が決定し、それぞれ担当分野に分かれて本格的に始動することになった。昨年12月に開かれた第3回北東アジアOSS推進フォーラム(ソウル会合)では、技術開発・評価について中国がデスクトップLinuxを担当するほか、日本はLinuxとその他OSSのベンチマーク評価、韓国が基本ソフト(OS)のセキュリティを担当することが決まっており、各国で専門組織などを設けて活動を始めることになりそうだ。2003年11月に日中韓の各国政府、ソフト業界などでOSS推進の協力体制を構築してから約1年を経て、活動の方向性が固まった。

 日中韓の3か国は、03年11月14日に大阪市で会合を開き、OSS推進で協力体制を作ることを合意した。その後、翌04年4月3日には、3か国政府のIT担当局長が中国・北京市に集まり基本覚書に署名。同時に開催された第1回北東アジアOSS推進フォーラムでは各国のOSS推進状況などが確認された。さらに、同年7月28日に札幌市で開かれた第2回の同フォーラムでは、技術開発・評価、人材育成、標準化・認証研究の3分野でワーキングループ(WG)を設置している。

 04年12月2、3の両日、韓国・ソウル市で開かれた第3回北東アジアOSS推進フォーラムでは、札幌会合の合意に基づきそれぞれの活動内容について合意している。技術開発・評価(WG1)については3か国で役割を分担し、中国がデスクトップLinux、日本がLinuxとその他OSSのベンチマーク評価、韓国がOSのセキュリティをそれぞれ担当する。

 一方、人材開発(WG2)は、OSS開発者の増加を図るため、まずOSSの教育と研修に関する調査を実施。OSS開発コンテストの実施などの計画を今後策定していくことになった。標準化・認証研究(WG3)については、WG3の活動規範を作成し、インプットメソッドや標準化人材育成、組み込みLinux、ウェブデータの相互運用性などを活動項目としていくことを決めた。

 これら3つのWG活動については、今年3月末までに各WGの活動計画の詳細を決定、日中韓で情報交換を行う。また、04年に計3回開催した北東アジアOSS推進フォーラムについては原則として年1回の開催とし、次回は今年8月に中国で開催する予定になっている。

 日本では情報処理推進機構(IPA)が事務局となり、日本OSS推進フォーラムを運営。傘下にデスクトップWG、開発基盤WG、サポートインフラWG、ビジネス推進WG、人材育成WG、標準化・認証WGを設け活動している。

 あるメンバーによれば、「日本はすでに教育分野でのLinux活用の実証実験を開始するなど、普及・推進を積極的に進めている。日本のソフトベンダーやITベンダーがリードする部分は大きくなる」とみている。