【ソウル発】携帯オーディオプレイヤーで世界シェアトップのアップルコンピュータの「iPod(アイポッド)」と、MP3プレイヤーの元祖ともいえるアイリバーや三星電子などの韓国メーカーの価格競争が激化している。

 アップルは韓国でのみiPodを13%程度(約4000-8800円)値下げし、続けて2月中旬フラッシュメモリタイプの激安MP3プレイヤー「iPod shuffle(アイポッドシャッフル)」を発売する。512MBが約1万2000円、1GBが約1万8000円と日本での販売価格よりは高いが、韓国メーカー製品の半額に近い。

 アップルコンピュータコリアは、「アップルのMP3プレイヤー世界市場シェアは52%。MP3プレイヤーユーザーが多い韓国では、アップルが生産していないフラッシュメモリタイプの割合が97%を占めるため、まず値下げでiPodは高いという認識を払拭させてからiPodシャッフルを発売しようという戦略でそれ以上の理由はない。」と話している。韓国でのiPodのシェアは1%未満で、他の国に比べ断然少ない。

 年間1000万台規模で世界市場の50%を占める米国では、MP3プレイヤー市場はHDD(ハードディスクドライブ)タイプが全体の60%を占めており、そのうちアップルのiPodが約65%、HDDタイプでは約92%のシェアを持っている。ここに最近アイリバーと三星電子など韓国メーカーが乗り込み、好成績をあげている。特に三星電子とLG電子はアップルの成功に刺激され、米市場の10%を奪い取ろうとMP3プレイヤーの新製品開発に積極的になっているため、今回の値下げでアップルが反撃に出たとも言われている。

 韓国でフラッシュメモリタイプのMP3プレイヤーは、携帯電話、デジタルカメラの次に人気の高い商品で、卒業・入学祝いには欠かせない。そのため年間200万台が販売され世界市場の10分の1にあたる規模と推定されている。

 アップルの値下げでアイリバーやゴウォンシステムなどのMP3プレイヤー専門メーカーも15-25%値下げせざるを得なくなり、買い替え需要も伸びている。

 三星電子はアップルの値下げ後、1インチカラー液晶と5GBHDDを内蔵した最も小さいMP3プレイヤー「YH-820」を発売した。アイリバーもMP3プレイヤーにカメラ、動画再生、電子辞書などの付加機能が揃った高性能モデルを次々と発売している。

 iPodシャッフルについて韓国のユーザーは、「値段が安いのは歓迎だが、ヒアリング勉強に使える液晶がついていないしラジオも聞けない。再生時間も12時間では短すぎる」と、まだアップルより韓国メーカーに傾いている。アップルの値下げ攻勢は、大手メーカーより、むしろ市場の18%程度を占める中小メーカーに大きな打撃を与えている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)