独SAP(ヘニング・カガーマン会長兼CEO)は、セールスサイクル(販売までの期間)の早い中堅・中小企業(SMB)市場向けの同社ERP(統合基幹業務システム)を拡販するため、今年度(2005年12月期)から、認定パートナーを支援するためのインフラを整備するなどSMB市場の攻略に乗り出した。世界の主要国にテレマーケティング拠点を順次整備するほか、各国の認定パートナーや企業向け情報ポータルを開設する。また、発注や契約、教育などを弾力化し、地場のシステムインテグレータやディーラーが拡販しやすい環境を整備する計画だ。

 独SAPは、01年に従業員1000人規模向けの「mySAP All-in-one(A-one)」、02年に同100人規模向けの「SAP Business One(B-one)」の2つのERPをSMB市場に投入した。A-oneで一部直販をしているが、基本的にはほぼ100%チャネル販売で、世界では約1300社の認定パートナーが拡販、サポートしている。

 昨年7月に独SAPに入社した元IBMのドナ・トロイ・グローバル中堅・中小企業向けビジネスシニアバイスプレジデントはこのほど来日して、「SMB市場は、世界的に見て、まだ数百万社単位の市場がある。セールスサイクル(販売までの期間)を短縮するための認定パートナー向けの支援体制を強化するなど、積極的にSMB市場を攻めたい」と、世界的なマーケティング戦略を強化することを宣言した。

 今年度は、地域に応じた認定パートナーへのサポートやキャンペーン、データマネジメントなどを実施するため、日本を含めたアジア、欧州、北米の主要国にテレマーケティング拠点を順次整備する。また、国別のSMB市場向けの情報ポータルを開設して、ソリューションや認定パートナーが開発した同社ERPのアドオン製品、業種・業態向けのキャンペーンなどの情報を認定パートナーや企業向けに発信する。

 テレマーケティング拠点やSMBポータルから得た情報は、地場の認定パートナーやディーラーに提供するほか、共同マーケティングなども実施する計画。「SMB市場で顧客となる企業は、身近な地場のベンダーからの購入を求めている」(トロイ・シニアバイスプレジデント)と、ERPの製品情報を効率良く提供して、地場のベンダーやISV(独立系ソフトウェアベンダー)、ディーラーなどが、自社の製品とアドオンして拡販できる体制を強化する。