【ソウル発】海外市場で三星電子やLG電子の人気が高まるなか、家電や携帯電話機などをそっくりコピーした偽物が急増し問題になっている。韓国製品の違法コピー品は大手企業の家電から中小企業の部品まで非常に多様化している。最近イラクでは市場シェア70%を占めている韓国製洗濯機の中国製違法コピー製品が大量に摘発された。LG電子は「SUPER LG」、大宇(DAEWOO)は「DEAWOO」、三星電子は「SUMSONG」と韓国企業を連想させる中国製品の流通も増えている。

 MP3プレイヤー「アイリバー」で有名なレインコムは、昨年中国で違法コピー製品が半分以下の値段で販売されてから訴訟を検討している。三星電子は中国で携帯電話機のコピーが登場してからデザイン保護のため展示会でも市販中の製品しか展示しないことにしている。

 三星電子の携帯電話機は平均価格198ドルと、ソニー・エリクソンと並ぶ高額商品。3GSM世界会議2005では今年最高の製品賞も受賞している。発売するモデルごとに世界で1000万台以上売れている。そのせいか海外の競合会社や不法流通業者によるコピー物も多く出回り、毎月中国だけで10万台前後が流通されているものと見られている。

 三星電子の関係者は「中国で三星の携帯はブランド品同様、上流階層を象徴する商品になった」とし、「新しい携帯端末開発のため年間1兆ウォン(約1000億円)以上の費用を投資している。コピー携帯の不法流通により金額的な被害も大きいが、海外で築き上げた韓国産=高級ブランドのイメージも打撃を受けている」と述べた。三星の携帯電話ブランド「Anycall(エニーコール)」のブランド価値は3兆ウォンと評価されている。コピー製品は本物の価値までも落としてしまうため、このままでは韓国の輸出にまで被害が出る恐れがある。

 海外で韓国製品のコピーが価格競争力を盾に市場シェアを伸ばしているが、取り締りは難しい。中国産コピー製品が大半を占めているにもかかわらず中国政府の強力な取り締りはなく、韓国大使館にも特許担当者がいないため明確に対応できない場合が多い。訴訟を提起しても判決まで数年はかかってしまう。ノキアはバッテリーに20ケタの番号を入力し、本物かどうかをオンラインで確認できるようにしている。三星電子やLG電子といった韓国企業もコピー防止対策を考え始めている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)