コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は、中国・上海市に設置した初の海外活動拠点「日本電子計算機軟件著作権協会上海代表処準備室(ACCS上海)」の開設イベントを7月をめどに開き、現地での本格活動を始める。ACCS上海が拠点を構える「上海知識産権園(上海知的財産パーク)」は、“知的財産立市”を目指す上海市の楊浦区人民政府および版権局が中心となり開発が進められているビジネスパークで、政府系機関も数多く入居している。ACCS上海では、こうした各機関からの協力も得ながら、「日系企業のソフトウェア・コンテンツビジネス支援、法制度・慣行の情報収集・提供など」(久保田裕・ACCS専務理事)を行っていく。

 ACCS上海の事務所は、2004年4月に再開発された高層ビル「上海知識産権園」(上海市楊樹浦路2310号)の8階にあり、ACCSの魏鋒(ウェイ フェン)氏が常駐要員として活動。フロアは、オフィススペース、受付・応接スペース、セミナールームの3エリアで構成され、セミナールームは最大24人の受講者が収容できるようになっている。セミナールームでは、「地元の大学生向けに、著作権やソフトに関するセミナーなどを開催していく」(魏氏)方針。

 ACCSでは、03年度から中国国家版権局、上海市版権局などとの情報交換を進めてきたほか、華東政法学院、華東師範大学、上海財経大学、上海社会科学院などで学生向け講演会も開催してきた。今後はACCS上海をベースにこうした活動をさらに活発化するとともに、「起業家のサポート、アライアンスや投資の仲介、中国当局に対する法整備の働きかけなども行っていきたい。また、中国に進出してくる日系企業の支援策として、ソフト・コンテンツビジネスのケーススタディなども紹介していきたい」(久保田専務理事)としている。

 上海市は現在、「科学技術による市の発展戦略」の一環として、知的財産ビジネスの振興・誘致に力を入れている。経済開発区として発展する浦東新区の北、黄浦江を挟んだ対岸エリアに位置する「楊浦区」を「知財開発区」に位置づけ、黄浦江沿い一帯の再開発を進めている。

 ACCS上海が入居する上海知識産権園ビルもこの計画に基づき再開発されたもので、ビル内には上海市知識産権局、上海市版権局、上海市商標局の出先機関が置かれているほか、国家開発銀行の中小企業融資窓口、知的財産権取引センター、上海労働者技術協会、上海発明協会、企業発展サービスセンターなどが事務所を置いている。

 同ビルに隣接する場所では、来年の完成を目指し、アニメ、マンガの制作会社などが誘致できるよう映画館などを備えたビジネス施設の再開発も進められている。

知財立市を目指す上海
魏敬毅(ウェイ ジンイ)
上海知識産権園招商サービスセンター長


 上海市は、科学技術の発展戦略の一環として“知的財産立市”を目指しており、そのプラットフォームとして「上海知識産権園」の開発を進めている。知財産業に着目したビジネスパークは中国初の取り組みで、他のビジネスパークが土地を主要な要素として製造業などを誘致するのに対し、当パークはサービスプラットフォームの提供に主眼を置いた機能的なパークを目指している。浦東新区が「経済区」なら、楊浦区は「知財開発区」という位置づけになる。

 上海知識産権園ビルには、上海市知識産権局、上海市版権局、上海市商標局の3つの出先機関が設けられており、1階には、これも中国初となる「中国特許製品展示センター」を置き、各種特許製品を展示している。来年には隣接地に、アニメ、マンガ制作会社の誘致を狙いとした新たな施設も完成する予定になっており、入居者には当パークの機能をどんどん使いこなしてもらえればと期待している。(談)