ストレージ・バックアップ(外部記憶装置)機器販売のキング・テック(王遠耀社長)はこのほど、同業のシステムマネージメント(SMC、齋藤哲章社長)を傘下に収めた。キング・テックは、自社の機器販売とSMCの製品保守サービスを合わせ持つことで、システム販売・導入から保守・メンテンナンスまでを請け負う総合ベンダーへ脱皮する。株式などに関連する商法上の取引の有無は公表していないが、「実質的なM&A(企業の合併・買収)といえ、ニッチなこの業界内で事業統合を行うのは国内で初めて」(王社長)という。今年度(両社とも2005年9月期)の売上高は、両社合算で約12億円だが、統合効果により、来年度(06年9月期)中に15-20億円への拡大を目指す。

 キング・テックは00年11月の設立で、台湾を中心にした海外メーカーのストレージ・バックアップ機器の再販権を持ち、国内の販売会社を通じて企業へ同機器をカスタマイズ販売している。今年度の売上高は10億円にのぼる見込み。一方、SMCは設立が95年11月。これまでキング・テックの競合ベンダーとして、自社開発のストレージ機器「スーパーレイドシリーズ」の販売に加え、ストレージ・バックアップ機器のシステムインテグレーションや保守を担い、メンテナンス面でも実績を残してきた。SMCの売上高は同2億円強に達する予定だ。

 今回、キング・テックがSMCを傘下に収めたことで、SMC機器の営業権や製品保守サービスなどのリソースすべてをキング・テックに移管し、事業を継承する。SMCの全社員8人はキング・テックに編入するほか、「スーパーレイドシリーズ」などのSMC機器ブランドも残す。SMCの社名自体はこの先当面、商法上に残す予定だ。

 両社が事業統合する効果について、王社長は、「キング・テックは、流通チャネルを通じた販売に実績がある。これにSMCのインテグレーションや保守などの事業力が加わることで、ストレージ・バックアップ機器の総合ベンダーとして、より大型のシステムを直接企業に提案できる。パソコン量販店を通じた小規模案件から個別企業への大規模案件まで広範に事業領域が広がる」と期待している。SMCの保守・メンテナンスにより、安定的な収益確保にもつながるという。

 企業のシステムは複雑化していることから、ストレージ・バックアップ機器の単体販売での生き残りが難しくなっている。今後、両社の事業統合を機に、この業界の合従連衡が進むことが予測される。