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マジックソフトウェア・ジャパン EAI/BPMツール、ミッド市場に拡販 ノンコーディングで統合可能

2005/06/27 21:42

週刊BCN 2005年06月27日vol.1094掲載

 EAI(企業アプリケーション統合)ベンダーのマジックソフトウェア・ジャパン(中村秀興社長)は、5月下旬に発売したEAI/BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)市場向けのシステム統合ソリューションの新製品「Magic jBOLTインテグレーションスイートV2.5」をミッドレンジ市場へ本格的に拡販する。新製品は、システム統合の際にプログラミングの必要がない「ノンコーディング」仕様で、アダプタのコンポーネントとして新たにSAPの中堅・中小企業向けERP「SAPビジネスワン(SBO)」用を実装しているのが特徴。同社はSBOのユーザーを中心に拡販して、2007年度(07年12月期)までに同スイートだけで10億円の売上高を目指す。

 マジックソフトウェア・ジャパンは、企業内のSOA(サービス指向アーキテクチャ)を実現するため、04年からEAI/BPMツールを提供している。旧製品はすでに国内25社に納入している。新製品の同スイートは、同社の開発ツール「eDeveloper」を基盤に採用したことで、システム統合を他社製品に比べ、安価に早く実現できる。さらに、EAIを設計・開発するための統合開発環境「Magic jBOLTスタジオ」により、コンポーネント間をノンコーディングで簡単に統合できる。

 EAI/BPM市場ではこれまで、ハイエンド製品が主流だった。しかし、同社は開発ツールによる中小規模・大量プロジェクトをメイン市場としてきたことから、ミッドレンジ市場を開拓する。今回の新製品では、SAPの中堅・中小企業向けのERP「SBO」用の専用アダプタを実装した。「小規模企業へは、今後増えると予想されるSBOユーザー向けを第1弾で攻めていく。さらに、他のパッケージとの連携アダプタについても順次リリースしていく」(佐藤敏雄・取締役カスタマーサービス本部本部長)という。

 同スイートを利用すれば、システム全体の保守コストを大幅に削減でき、既存システムにあまり手を加えずに段階的なシステム統合ができるのも特徴の1つだ。

 同社は、同スイートを日立ソフトウェアエンジニアリングやアイウェイソフトウェアなど約10社の販売パートナーを通じて拡販するほか、「アプリケーションパッケージパートナー」としてマイクロリンクやダイレクト・コンサルティングなど9社へ同スイートをOEM(相手先ブランドによる生産)供給する。「今後もセミナーを開催して新規のパートナーを開拓する」(佐藤取締役)ことで、07年12月期までに10億円の売上高を目指す方針だ。
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