北海道内の主要IT関連団体が統合して2003年に発足した北海道IT推進協会(山下司会長=エス・アイ・ユゥ社長)を中心にした道内ITサービス企業は、道内企業・事業者のIT活用の現状調査を基に、加盟企業などと連携して実態に即したシステムやソフトウェアを開発する活動を本格化させている。北海道の基幹産業である農業や観光、食品製造などに関連する企業に向け、IT業界が協力して需要を掘り起こす。同協会は、道内各地で運営委員会を断続的に開催し、11月には、連携した製品を持ち寄り展示する全道イベントを札幌市内で開催する計画だ。

 道内各地のITサービス企業が共同作業に乗り出すのは初めて。今回の連携は、北海道経済産業局から「北海道におけるIT企業地域連携活性化事業」の助成金を受け実施する。札幌市内のITサービス企業を中心に構成する同協会のほか、旭川市、帯広市、釧路市、北見市など、農業、観光、食品製造に関連した企業・事業者の多い地区の各団体が協力する。

 同協会はすでに、農業、観光、食品製造、建設、自治体サービスなど、ITサービス企業が対象とする基幹産業のIT活用の実態や需要を調べた。この調査を基に、9月から運営委員会や交流会などを断続的に開催し、各団体に加盟するITサービス企業がもつ技術や各産業で必要としているITシステムなどに関する情報交換をしている。こうした場を通じて、ITサービス企業が連携して製品開発できるよう仲介する。

 例えば、農業関連では、ICチップを用いたトレーサビリティや流通業務の効率化に利用するシステムなどをテーマに、道内のITサービス企業が持っているノウハウを集結させて、共同で1つのシステムを構築する。同協会の山下会長は、「道内基幹産業のIT導入が進めば、ITサービス産業の底上げになる。各産業の生産性を高めるシステムを共同開発して、北海道ブランドのビジネスモデルを全国に波及させたい」と、期待している。

 北海道経済産業局によると、04年の道内IT市場は約3000億円で、ITサービス企業の従事者が1万7400人。道内ITサービス企業の7割は売上高が5億円に満たない。その多くが、東京地区から仕事を受注しているが、ITサービス企業を活性化する上でも道内のIT需要を掘り起こすことが課題となっている。