【ソウル発】9月1日にコンシューマ向け市場に進出したパワーコムのマンション向けFTTH「光LAN」サービス加入者が急増し、1万人以上の加入者が10日以上も工事の順番を待つ現象が起きている。韓国ではこれまでKTやハナロテレコムといったADSL事業者は申請から工事までマンションの場合24時間以内、大都市では朝に申し込めばその日の午後にはブロードバンドが使える環境を整えている。「早く早く(パリパリ)」が口癖の韓国で待ってでも使いたいパワーコムの「エクスピード」は、既存KTやハナロより安く、早い速度が魅力となっているようだ。

 パワーコムのFTTHサービスはマンション向け100Mbpsの「エクスピード光LAN」と一戸建て住宅て向けの10Mbps「エクスピード・プライム」の2種類で、KTとハナロテレコムとし烈な競争を繰り広げている。マンション向けの場合、同じマンションのなかで加入者が増えると速度が落ちる問題があるが、KTやハナロテレコムに比べ8%ほど安く、一戸建て向けは20%も安いため加入者は増える一方となっている。

 韓国の場合、3年契約という条件で10-20%ほどADSL利用料金を割引してもらう約定制度があり、途中で解約すると割引された分を違約金として払うことになる。パワーコム、KT、ハナロテレコムは顧客の奪い合い状態で、違約金を代理弁済してまでも自社サービスへの勧誘を進めるという不法営業も横行している。そのため、中小のADSLサービス会社が通信委員会に調査を依頼しているほどだ。

 パワーコムはサービス開始から6日間で1万2000人、19日までに5万人の新規加入者を獲得した。最近のブロードバンド市場の月平均の純増加入者数は6万人前後であるため、これまでにない猛烈な勢いで市場シェアを伸ばしていることになる。パワーコムでは、「エクスピード」の年末までの加入者目標を50万人としている。

 一方、KTとハナロテレコムは、料金の値下げよりVoIPやインターネットテレビなどのバンドルサービスと加入者専用無料コンテンツを強調している。KTは来年100MbpsのVDSLサービスを提供開始する予定だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)