【ソウル発】キヤノン(御手洗富士夫社長)が韓国デジタルカメラ市場に直接進出する。キヤノンは、2000年から総合商社のLG商事経由でデジカメを販売してきた。今回、韓国でデジカメ事業を担当する韓国法人「キヤノンコリア・コンシューマイメージング」(資本金34億ウォン=約3億4000万円)を設立し、ソウル市江南区にオフィスを構えた。LG商事との契約が終わる来年6月をメドに本格的な営業活動に乗り出す。一方、ロッテとの合弁会社である「ロッテキャノン」での複写機やプリンタなどの事務機器事業はそのまま継続する。

 LG商事の関係者によれば、「キヤノンから韓国で独自に市場展開したいとの連絡があった。すでにビジネス戦略を立てているはず」と話している。LG商事は00年からキヤノンのフイルムカメラとデジカメ、レンズ、アクセサリーを販売し好調な業績を上げてきた。LG商事内でキヤノンを担当するデジタル映像事業部はキヤノンの製品の輸入販売だけで年間2000億ウォン規模の売り上げを記録している。キヤノンとの契約が切れることで、LG商事はかなり打撃を受けるものと見られている。

 しかしその一方で、LG商事が展開する5つの直営店「キヤノンプラザ」とオンラインショッピングモールは韓国内で知名度が高く、自社の流通網をキヤノンコリアがそのまま活用する可能性が大きい。そのため、今後の営業活動でも、キヤノンはLGと提携する可能性が高いという観測も流れている。

 昨年、韓国デジカメ市場シェア4位だったキヤノンは、今年に入ってトップの「三星テクウィン」を猛追して2位に急上昇している。韓国で人気の高いキヤノンが直接進出することで、デジカメ市場に相当な影響を及ぼすのは間違いない。

 キヤノンの韓国進出に対して韓国のデジカメ業界関係者は、「キヤノンの直接進出はトップシェアを狙っているという意味。攻撃的なマーケティングが始まるのではないか」と警戒している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)