シンクライアントベンダーの米ワイズテクノロジーはこのほど、成長が期待される国内シンクライアント市場に本格参入するため、日本法人(河田英典社長)を設立した。

 日本仕様に応じた製品展開を米本社と協力して進めるほか、既存のパートナーやOEM(相手先ブランドによる生産)先に対する支援、新規パートナーの開拓を行う。将来的には、シンクライアントの部品をチップ化してデジタル家電などへの提供も模索していく。昨年度(2005年3月期)の日本国内での実績は、代理店経由で約1億円。これを来年度までに、米ワイズのグローバルな年間売上高約200億円のうちの10%まで伸ばす。

 米ワイズテクノロジーは24年間、ダム端末やシンクライアントを開発・販売し、世界市場で約4割のシェアを占めている(IDC調査)。日本市場では4月に「個人情報保護法」が完全施行されたことで、「07年までに2倍の成長が見込める」として、今回の日本法人設立に踏み切った。また、中国・上海のアジア・パシフィック地域本社に担当社長を配置するなど、日本、中国、韓国市場の開拓を強化する。

 日本法人では、従来の代理店を含め、商社やシステムインテグレータ(SI)などパートナー5社との協業を決めた。このうち、3社はミントウェーブなどOEM供給先である。日本法人の北野敬介シニア・セールスは、「日本市場に即した製品を安定供給する体制を築く」と、今年度(06年3月期)までにネットワーク構築に実績のある10社程度のパートナーを開拓する。

 パートナー戦略を強化することで、ブレードクライアントに対応した同社のシンクライアント「Winterm(ウィンターン)」で、国内50%のシェアを目指す。北野シニア・セールスは、「国内では官公庁や自治体、教育界などに導入が進んでいる。国内のシンクライアント需要はまだ本格化していない。だが、当社製品のデモ機を試験的に導入する企業は多く、いずれ刈り取りの時期が来る」と、来年以降に本格的な需要期を迎えるとみる。

 さらに、シンクライアント端末を利用したセキュリティ分野への製品提供だけでなく、端末をチップ化してデジタル家電メーカーなどに供給することも、日本法人の事業展開として検討している。