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三星電子 中長期戦略で世界トップ3入りを表明 2010年にトップシェア20品目以上に GE、IBMと並ぶグローバル企業へ

2005/11/14 12:44

週刊BCN 2005年11月14日vol.1113掲載

 【ソウル発】三星電子は3日「第1回三星アナリストデイ(Analyst Day)」を開催し、 今後の持続的な研究開発投資と特許競争力向上により、2010年マーケットシェア世界1位製品を現在の8品目から20品目以上に拡大させると発表した。売り上げは2004年の57兆6324億ウォンの2倍である115兆ウォン(海外含め158兆ウォン)規模に引き上げて、果敢なR&D投資とプロセス革新で2010年には世界電子業界「トップ3」入りを目指す。

 「2010プロジェクト」発表のアナリストデイには、副会長2名と部門別社長陣が参加し、経営陣が経営状況と社の中長期ビジョン、個別の事業戦略を直接説明した。

 「フォーチュングローバル500」によると、三星電子は世界電子・IT業界の中での売上高は、IBM、シーメンス、日立製作所、松下電器産業、HPに次ぐ6位、ビジネスグローバルブランドとしてはマイクロソフト、IBM、インテル、ノキア、HP、シスコに続き7位を記録。売上高を今後5年で100兆ウォン台に乗せることで、GE、IBM、マイクロソフトなどのグローバル企業と肩を並べたいと意欲的に取り組んでいる。

 尹鍾竜(ユン・ジョンヨン)副会長は、三星電子の特許登録件数は昨年1604件で世界6位に達したと説明。また、2007年までに現在250人規模の特許専担人員を10年には450人にまで拡大させる。97年に16%だったR&D人員は昨年24%までに増加したが、さらに10年には全社員の32%まで拡大させると強調した。

 尹副会長は年初から「特許経営」を強調し、07年には世界3位の特許登録件数を達成させたいとの意向を表明していた。

 三星電子はこのため高容量メモリ、次世代ディスプレイ、次世代移動通信、デジタルTV、次世代プリンタ、システムLSI、次世代Mass Storage、エアコントロールシステムを8大成長ジャンルに選定し、集中的に育成させる方針。また日常生活にユビキタス技術を取り込んで、「ユビキタス・ヘルスケア」、「パーソナルマルチメディアデバイス」、「ホームネットワーク」、「ホームケアロボット」なども新事業として拡大させる計画だ。

 事業部門別では、技術部門に関しては、07年に特許競争力を世界トップ3に引き上げる。半導体部門は12年に国内で24のFABを稼働させ、売上高610億ドルを目指す。情報通信部門は携帯電話がIT機器のハブになることを見越して、オールインワン(All─in─One)端末を商品化させる。LCD部門は10年に売上高200億ドルを達成させる。デジタルメディア部門はデジタル・ルネッサンスで08年に売上高300億ドル達成を目標にしている。

 半導体は50ナノ16ギガナンド(NAND)フラッシュ、フュージョンメモリなど最先端半導体を早期開発していく方針だ。携帯電話はAnycallというブランドで、年間1億台の販売、10年間年平均25%という成長率を記録してきた。

 当日、世界初の800万画素携帯も紹介された。プレミア製品と原価の低減で販売価格185ドルを維持しながら、中国、インド、ブラジルのような新興開発国も視野に入れ、低価格の端末で市場シェアを拡大させる計画だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
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