NECは、NECシステムテクノロジー(高橋利彦社長)、シーエスアイ(CSI、井戸川静夫社長)の3社で電子カルテシステムを拡販する体制を構築、新シリーズ「MegaOakHR」を今年6月をめどに販売開始する。

 電子カルテ市場は、「月刊新医療」2005年4月データによると、現在37%を占めている富士通がシェアトップ。NECはCSIと合計で24%の2位となっているが、今回の製品投入により「3-4年後にCSIと合わせて市場シェア40%を目指し、シェアNo.1を目指す」(岩波利光・NEC執行役員)としている。

 電子カルテは、2001年12月に厚生労働省が06年度までに普及率6割以上を目指すとの目標を打ち出したものの、現状では普及率が5%以下と低迷が続いている。

 医療機関の多くは、昨年5月に厚労省の「標準的電子カルテ推進委員会」がまとめた最終報告に準拠したシステムがITベンダーから投入されるまで様子見状態が続いていた。電子カルテ市場のシェア争いは、政府が医療分野の積極的なIT化を打ち出したこれからが本番を迎える。

 今回発表した次世代電子カルテソリューション「MegaOakHR」は、厚労省が策定した標準仕様に準拠し、医療機関の施設間連携、患者の安心、安全をコンセプトに地域をまたがる複数の医療機関で情報を共有することを目的に、業務効率化を目指す製品。3社は、今回のブランド統合によって、導入支援、運用支援、コールセンターの各サービスを提供するために、医療情報システム専門のサポートセンターを準備する。

 NECでは従来、1床100万円していた電子カルテ導入費用を今回の製品で従来比20%削減し、1床80万円を実現した。院内カルテ機能には、C/S型、シンクライアントを、院外の連携施設とのデータ閲覧は、ウェブによる診療データの参照で施設間連携カルテ機能が実現できるようになる。

 システム導入には、ハードウェア3割、パッケージソフト3割、システム構築4割の構成で費用がかかるが、今回、業務フローの提案による導入工数の削減、新設計によるハードウェア費用の低減、導入作業の標準化で、導入費用の削減を実現した。今後3年間で250システムの販売を見込んでいる。

 医療分野のIT化の現状は、「診療記録、看護記録ともに電子化がほとんどされていない」(岩波・NEC執行役員)のが現状。NECは、政府が先に示したIT新改革戦略(案)に盛り込まれた医療分野のIT化に積極的に取り組み、電子化による紙媒体での投薬や検査指示ミス改善、情報セキュリティなど医療の安全、業務効率化を図るなど、患者中心の医療の実現に取り組む。

 NECでは、電子カルテの情報を院内だけでだけでなく各施設間でも共有できるようにする政府の電子紹介状の実証実験を担当しており、その成果を新製品に取り入れていく。