アドビシステムズ(ギャレット イルグ社長)は、企業のドキュメントソリューションをターゲットにした販売戦略を加速させる。今年1月に社長に就任したギャレット イルグ社長は、「パートナーと連携し、金融、製造、官公庁、通信などの特定市場それぞれの業種に特化したソリューション販売に力を入れる」方針だ。イルグ社長は、1999-02年まで日本BEAシステムズで社長を務め、パートナービジネスを推進した。その手腕を生かし、特定市場に強みを持つパートナーの獲得に力を入れる。

 アドビシステムズは、昨年11月に、横浜市に「Adobe Acrobat 7.0 Standard」を1万3000ライセンス、12月に日本テレコムに6500ライセンスをそれぞれ納入するなどエンタープライズ市場の開拓を加速させている。

 今年1月には、日立ソフトウェアエンジニアリングの電子ドキュメントソリューション「活文」シリーズが「Adobe LiveCycle Policy Server」を採用するなど、同社が力を入れるエンタープライズ向けドキュメントソリューション市場拡大における「重要なステップ」(イルグ社長)を踏んだ。

 昨年施行されたe─文書法により、同社の「Acrobat」および「PDF」ビジネスが、追い風を受けている。イルグ社長は、アドビシステムズの社長として4年ぶりに再来日したが、「電子文書やセキュリティなどは4年前の日本になかったニーズであり、コピー機に当社のテクノロジーを組み込むことで一般企業のワークフローに有効に活用されるようになってきた」とビジネスチャンス拡大に意欲を示している。

 クリエイティブワークを対象とする統合プラットフォームの「Creative Suite」やエンタープライズ向けのセキュアドキュメントソリューション「LiveCycle」と「Acrobat」を、情報のデジタル化とドキュメントソリューションという両輪に位置づける。

 「アドビとマクロメディアの統合効果も期待できることから、日本市場で2ケタ成長を実現するのは決して難しいことではない」と強調。パソコンやコピー機を接続したネットワーク環境拡大の波に乗ってビジネス拡大を目指す。

 今後、ユーザーに適したサポートを提供するために、新たな社内体制を検討していく。

 米アドビシステムズは、昨年度(05年11月期)売上高が過去最高の19億6600万ドル(前年同期比18%増)を記録。昨年12月にマクロメディアの買収が完了し、日本市場では、携帯電話市場に向けた「Flash」のプラットフォーム拡充を見込んでいる。