来年度で3か年の事業計画が終了する経済産業省の「IT経営応援隊」が、補助金に頼らない自立型のIT利活用促進活動の継続を模索している。活動を通じて築き上げた人的なコミュニティをベースに、ローコストで持続可能な自立サイクルの実現を目指す。地場の金融機関などと連携して、“ポスト応援隊”を見据えた活動も動き始めている。

 来年度で3か年計画で続けたIT経営応援隊事業が終了する。中小企業やITベンダー、ITコーディネータなどを巻き込み、ITを活用した中小企業の経営革新をテーマに活動してきた。費用の一部に補助金が出るケースもあるが、その多くは年間数十万円-数百万円で、IT投資促進税制など過去の大型景気対策のような派手さはない。「少ない予算で手弁当」(応援隊員)と地域に根ざした活動が特徴だ。

 補助金が少ないだけにローコストオペレーションの徹底が求められ、隊員の多くは知恵と工夫を凝らした取り組みを続けてきた。一部地域では地場の金融機関とITコーディネータ、ITベンダーが連携して中小企業の経営革新を後押しする仕組みを確立させたり、地場密着の事例創出に取り組むグループが現れるなど多様性に富んでいる。

 しかし、地域によって温度差もあり、最終年度で自立型のIT利活用促進サイクルをどれだけ多く確立できるかが大きな課題になっている。

 経済産業省でも補助金の終了を見越して、活動が低調気味な地域にテコ入れして、全国主要都市部に行政の支援を必要としない「自立型サイクルを1つでも多く残したい」と支援活動に力を入れる。

 一方で、ポスト応援隊に向けた模索も水面下で始まっている。中小企業とITベンダー、両者の間を取り持つITコーディネータなどの人的プラットフォームの整備に向けた政策の継続が有力視されている。低予算でも実現できるのは応援隊で実証済みで、逆に少ない予算だからこそ本物の“有志活動家”が参加するとの声もある。

 景気好転の動きと政府の緊縮財政が相まって、景気回復のカンフル剤的な予算獲得はますます難しくなる。こうしたなか、ローコスト運営で継続してきた地域の応援隊活動は、補助金に頼らずとも持続可能な人的プラットフォームになる潜在力がある。すでに自立型のIT利活用促進サイクルを確立しつつある地域も出始めている。人的プラットフォームを全国規模で定着させられるかが今後の政策投資効率を大きく左右するだけに、IT経営応援隊事業は正念場を迎えている。