アドビシステムズ(ギャレット・イルグ社長)が3DデータのPDF化が可能な「アドビ・アクロバット3D日本語版」を発売し、製造業や建築業向けの販売を強化した。同製品で、3Dデータの活用を促すことでドキュメント管理の有効性を提案していく。特定業界向け製品を発売したのは今回が初めて。このモデルを成功させ、他の業界向け特化製品の発売を視野に入れる。

 「アクロバット3D」は、3DのCADフォーマットをPDFに変換できることが売り。無償の「アドビ・アクロバット・リーダー7.0」と連携しているため、導入企業はPDFを通じて社内の複数組織で情報を共有できるほか、取引先などと3Dデータのやり取りが行えるようになる。

 製造業や建築業向け製品として発売したことについて、小圷義之・マーケティング本部ナレッジワーカー部フィールドマーケティングマネージャーは、「製造業や建築業などによる3Dデータの活用ニーズが高まっている。3DデータのPDF化で、作図のやり取りを簡便化したり、プレゼンテーションを行えることなどが、アクロバットの新規購入や買い替えにつながるため」としている。「アクロバット・リーダー」で製造業や建築業におけるPDFの導入は進んでいるが、「ほかの業界と比べ、有償製品を拡販できているとは言いがたい」。そのため、特定業界向け製品の発売に踏み切った。

 同製品により、CADソフトの販売で国内トップの大塚商会との協業を強化。CADソフトを含めたドキュメント管理システムの提案を拡大させている。加えて、「サーバー製品の『アドビ・ライフサイクル・ポリシーサーバー』との組み合わせで、ドキュメント管理をベースとしたシステム案件を増やしたい」意向。「ポリシーサーバー」の販売代理店が、「アクロバット3D」を扱うケースも出ている。

 強みは、「アクロバット・リーダー」が広範囲に普及していること。「CADデータをPDFで受け取る機会が増えれば、CADソフトのユーザー増にも結びつくのではないか」とみており、CADソフトとの相乗効果でアクロバット3Dを拡販していく。

 同社は、法人向け事業の拡大に向け、各業界や企業の部門単位に細分化して製品を拡販する組織「ナレッジワーカー部」を昨年12月に設置、第一弾の製品として製造業や建築業向け製品「アクロバット3D」を発売することとなった。小圷マネージャーは、「製造業や建築業への製品拡販を成功させ、ほかの業界でも特定製品を発売していきたい」考えを示す。