中堅SIerの富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)は、組み込みソフト開発(エンベデッドシステム)事業の売上高が昨年度(06年3月期)、前年度比25%増の約61億円に達した。過去5年間のなかで最高の伸び率を記録、売上高も過去最高となった。携帯電話向けなど開発案件が急増するなか、中国に設置する開発子会社を含め開発者の増強が順調に進んだことで、昨年度に比べ多くの開発を進めることができた。今年度は65億円の突破を目指しており、今後も開発者を増やす方針。07年度までに組み込みソフトの開発者を、現在の約550人から700人体制にする。

 2005年度売上高61億円のうち、半分を携帯電話向けが占めた。その他は、デジタル家電、車載情報端末、鉄道駅の自動改札機向けなど。携帯電話の高機能化に伴い、開発案件が増え、けん引役を担った。

 今年度は、「ナンバーポータビリティ制度」の開始や、新規参入する企業が出るため、さらに案件が増えると予測。目標売上高65億円のうち、「55%は携帯電話向けが占めるだろう」(廣澤満治・エンベデッドシステム本部本部長兼事業部長)としており、引き続き携帯電話向け開発を主軸に置く。

 過去最高の売上高を記録したのは、組み込みソフト開発者の人員確保が計画通りに進み、「急増する案件に対応できる体制が整った」ことが要因。組み込みソフトの開発案件は2-3年前から増えていたが、「案件の数に対応できる開発体制が築けていなかった」という。同社は昨年度、中国北京市に設置する開発子会社の開発者50人を含め現在約550人での開発体制を築いた。

 今後の需要予測では、「現在の体制でもまだ不十分」であるため、今年度から来年度にかけて開発者を引き続き増やし、07年度までに700人体制にする。中途採用のほか、業務アプリケーションを開発するエンジニアを組み込みソフト開発向けに教育するなどで増強する。海外の開発者は、現状の50人から今年度中に80人体制にする。

 開発者増強に加え、営業担当者の数も増やす。現在営業担当者は15人だが、今年度中に約20人体制に拡充する。営業展開が手薄な車載情報端末向け開発案件の獲得に力を入れる。また、中国では、開発だけではなく営業展開も本格的に始める計画で、海外携帯電話メーカーへのアプローチも進めていく。