【ソウル発】長引く円安の影響から韓国市場では日本ブランドの家電・PCの売り上げが大幅に増加している。円レートの調整から4%ほど値下げ効果が出ているため、東芝や富士通のノートPCが韓国製より安くなっているからだ。日本ブランドのノートPCは韓国や米国製に比べてデザインが優れ軽量で人気はあったが、同じスペックで値段が20─30%ほど高いのがネックだった。東芝や富士通から100万ウォンを切ったノートPCが昨年発売されていたが、ついに80万ウォン台のノートPCが登場した。消費者の立場からすると「いつの間にこんなに安くなったの?」という感じである。

 量販店ハイマートの発表によると、ソニーのバイオノートPC(VGN─FJ65L/W)は109万9000ウォン、三星のノートPC(NT─P29/14C)は 115万ウォンで販売されている。韓国市場でソニーまでも低価型ノートPCを発売したのは異例といわれている。32インチLCDTVの場合、ソニー(KDL─V32A10)が昨年末より100万ウォンも安くなり240万ウォン、三星電子(LN─32M61BD)も240万ウォンだ。シャープの45インチLCDTVも750万ウォンから500万ウォン以下に下げている。ソニーのTVは値下げ効果から今年に入り2倍以上の売れ行きをみせている。

 一方、量販店テクノマートの日本ブランドに限った電子製品売上高は、今年の第1四半期は前年同期比50%以上増加した。デジタルカメラと電子辞典、MP3プレーヤーなど小型家電の販売は20%、デジタルTVとホームシアター、ビデオカメラなど映像家電は80%以上も増えた。家電に限らず車、食品なども日本製品の人気が高まっている。

 円・ウォンのレートは2004年末対比18.5%、05年末対比4.07%円安となっている。ここ6年ほど100円=1000ウォン以上という10倍前後のレートが続いていたが、04年から徐々に落ち始め今では8倍すれすれのところまで下がっている。これは97年のIMF危機以後最も低いレートだ。

 円安の影響は韓国市場に限らず、米国市場でも値下げ効果として現れている。日本企業とは逆に韓国企業はドル安・円安のなか、10%ほどの価格引き上げを余儀なくされているが、円安を背景にさらに値下げを断行し圧迫してくる日本企業と競争するためにはどうすることもできない状況である。

 家電は同じ価格なら世界的に認められている日本製を買いたいと思う消費者が多いため、専門家らは100円=800ウォンの線まで崩れてしまうと韓国電化製品業界は深刻な危機に陥ると警告している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)