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ダブルクリック 日本発製品の売上比率を40%に モバイルなど新規事業の拡大へ

2006/07/03 17:57

週刊BCN 2006年07月03日vol.1144掲載

 ウェブマーケティング製品を開発するダブルクリック(中山善光社長)は国内開発製品の売上比率を現状の30%から2006年度(07年3月期)に40%まで引き上げたいとしている。モバイル関連ツールなど日本でニーズが高い製品のバージョンアップを加速し新規事業の拡大を図っていく。

 日本法人が独自に開発した製品は、eメールマーケティングソフトの「クリックメーラー」やモバイルマーケティングツールの「モバイルMK」など。これらの製品は新規事業と位置づけており、昨年度の売上高は約3億円だった。

 中山社長は、「ワールドワイドで主力事業になっている広告配信ソリューションは、日本市場で確立した。ウェブマーケティング市場で絶対的な競争優位性を保つためには、新規分野の製品を拡販していくことが重要となる」としている。

 モバイル関連分野では6月下旬に新製品「モバイルMK1.5」を発売。同製品は、モバイルMK以外のデータ管理ソフトで集めたユーザーデータをメール配信に利用できる「インポート機能」や、ユーザーデータの簡単加工が可能な「エキスポート機能」を追加した。また、7月末にはモバイル広告の効果が測定できる新製品の発売を予定している。eメール配信システムでは、7月末に分析やセキュリティの機能を強化した新バージョンを市場に投入する。

 同社は一昨年度まで赤字が続くなど日本市場でのビジネスが不振だった。そのため、一昨年度末から昨年度初めにかけて大幅なリストラを実施。

 一方で、SIerを販売代理店として獲得することに力を注いだ。代理店の確保にともない、昨年度はパソコンサイトへの広告配信製品に加え、モバイルサイト向けの広告配信ソフトやサイト分析ツールを発売するなど新規分野での製品ラインアップを強化。これにより、売上高12億700万円(前年度比34.8%増)、営業利益1億200万円(前年度は7500万円の赤字)と黒字に転換した。

 今年度は、製品強化に向けて技術要員の増加も計画。40人弱のSE組織を50人規模に拡大させる。中山社長は、「今後は、人材への投資を積極的に行っていく。企業規模を拡大させることで、昨年度と同様にの30%以上の売り上げ増と、営業利益の黒字を維持させる」としている。
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