マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長ら幹部は7月7日、北海道札幌市の上田文雄市長を訪問し、地元メディアなどを前に対談した。同市は昨年9月から、同社の協力を得て市内のIT企業からIT技術者17人でコミュニティを構築し、「ITアーキテクト」を育成する教育カリキュラムを策定するなど、IT人材育成に協力。同市はこれを基に、7月末からトレーニングを開始する。

 札幌市の上田文雄市長は「IT産業を1兆円産業に育てるためにはIT人材育成が不可欠。そのうえでマイクロソフトの協力が必要」と述べると、ヒューストン社長は「北海道営業所を『支店』に格上げした」と、地場IT産業の支援強化を表明した。

 札幌市は今年度から3か年計画で、「高度情報通信人材育成活用事業」を開始。ITスキル標準(ITSS)に示された「ITアーキテクト」など技術者育成を本格化した。上田市長は「国内初のIT産業エリア『札幌テクノパーク』が設立されて20年が経つ。しかし、道内ソフトハウスは、同業会社からの下請け受注がほとんど。人件費の安い海外のオフショア開発との競争も激しい。直接受注する力をつけるうえで、より高度なIT技術者が必要」とマイクロソフトに協力を要請した。

 これに対し、ヒューストン社長は「当社も日本法人を設立して20年が経つ。国際的に見て、IT産業では日本と米国の重要性を認識し、20年前から日本市場に注力してきた。『札幌テクノパーク』に参加するIT企業へのサポートは、日本のIT産業の活性化につながる。当社はここへの協力をコミットしている」と、東京・調布にある開発拠点「Microsoft Innovation Center」から札幌市など自治体に革新を生む技術を配信していく計画を明らかにした。上田市長は「地域IT産業活性化のリーダーになって欲しい」と、期待を表明した。

 札幌市のソフトハウスは、設計段階からの上流工程を受託しているのが全体の20%前後。昨年度の市内IT産業の売上高は約2800億円に達している。安定的にIT産業を成長させるために、10年計画でIT技術者を3万人、IT企業数を600社にしてIT産業を売上高1兆円にすることを目標にしている。